突然×年下男子
突然のゲリラ豪雨、、雷警報、、。
会社の停電。
暗闇の中、残された一人、、。
『、、今どこ。』
「え?会社だけど笑。
あ、そうそう、実は今停電しちゃってて、、」
『一人なの?』
「あ、うん。もう私だけ。」
電話中でも、鳴り止まない雷の音。
『今行く、、』
「え、、?私は、だいじょ、、『いいから。』
少し無理矢理電話を切られる。
一人で暗闇の中、携帯の明かりでブレイカーを探す。
すると勢いよく階段を駆け上がる音がする。
扉を勢いよく開けば聞き覚えのある声。
『◯◯さんっ!』
「え?」
きっと雨の中、走ってきたんじゃないかってくらい
息を荒げてきた彼にそのまま抱きしめられる。
「わっちょっと!?大丈夫?」
『◯◯さんの方が大丈夫かよ、一人で。』
「まぁ、、。ってか、全部濡れてるじゃん。」
『、、そのまま走ってきたから。』
「まって、、タオル持ってくるっ」
『いい。』
「でもっ風邪ひいちゃうよ?」
『、、いい。、、ぇ、、くしゅんっ』
「あ、ほら、やっぱり。待ってて?」
彼の腕をゆっくり離して、
バッグからタオルを取り出し、濡れた髪を拭いていく。
『、、、大丈夫なの?』
「えっ?」
『雷とか、、そういうの怖くねーの?』
「うーん、、、。
怖くないって言ったら嘘になるけど、
そこまでじゃないかな笑」
『、、、マジかよ』
「え?もしかして、心配してくれたの?」
『、、、だって一人って言ってたし。』
「そっか。」
いつもぶっきらぼうのところがある彼だけど、
やっぱり優しいし、素直に嬉しかった。
『、、、寒い』
「あ、そうだよね」
どうしよう、、こういう時気の利いたこと思いつかない。
咄嗟にカーディガンを脱ごうとするけど、止められる。
『いい。◯◯さん、寒くなるから。』
「私は大丈夫だよ。だから、、」
『じゃあ、こっち来て。』
「え?」
言われるように彼の近くに行くと、
そのままぎゅっと抱きしめられる。
見上げると、目の前には雨水に濡れた彼がいた。
髪をそっとかき上げられ、何も言わず見つめられる。
「れお、んっ、っ」
冷たくなってた彼の唇が、ゆっくり重なり合う。
腰を引き寄せられ、彼との距離が0なる。
何度も重なり合ううち、彼の唇も温かくなるのが分かる。
暗闇のオフィス内、
雷の音なんか忘れるくらい彼でいっぱいになる。
「優しいんだね、れおくんって」
『別に、◯◯さんだけだし//』
「彼女特権ってやつ笑?」
『、、なんかムカつく、その言い方。』
「だって、そうなんでしょ?」
『、、、まぁ、そうだけど。』
「やっぱり笑」
ふと、時計を見ると終電間近だと気づく。
「そろそろ帰らないと、、」
調べると、この雷で止まってるらしい。
「なんかね、電車動くまでまだ時間かかるみたい。」
『ならさ、、続きして』
「え?」
『まだ時間あんでしょ?』
「でも、、。」
『誰もいないじゃん。』
「そうだけど、なんかいけないことしてるみたい」
『何?今更?』
「だ、だって」
『いいから。付き合って。』
そっと抱き上げられ、デスクに座らされる。
「あ、ちょっと、、んっ//」
抵抗しようとすると、
彼の力には勝てなくて、結局丸め込まれる。
私の方が優位に立っていたはずだったのに、
どこかで彼を求めてる。
『このまま帰らせたくないんだけど。』
「え、、?」
『全然足りない。』
「、、」
『、、俺ん家寄ってってよ。ここから近いし』
「えっ」
『ほら行こっ』
拒否権もないまま、手を取り歩いていく。
会社を出れば空はもう、きれいな月明かりが照らされていた。
『あー、やっぱりさ、』
「ん?」
『今日、帰さないから』
「えっ//」
『◯◯さんお持ち帰りします笑笑』
振り返りそう伝え、足早に歩いて行った。