『清須会議』見てきました。 感想です。
(ネタバレはほぼしていませんが、感想から内容が想像できてしまう部分はあるかと思います。
あと、大筋には関係ありませんが細かいディテールに若干触れたりもしています。
ご了承ください。
)
三谷作品独特の笑いや小ネタの仕込みは健在。面白かった。
ただ、これまでの三谷映画のように気軽に「さあ笑いに行こう!」という映画ではないです。
歴史が苦手な人はちょっとストーリーについていくのが大変かなと思いました。
一方で、正統派の歴史映画を期待した人にはエンタメ性が強すぎて抵抗があるかも。
あくまでもこの作品は「史実を軸とした三谷コメディ」
であるということを頭に置いて見に行かれるのがいいかと思います。
歴史はさっぱり…でも三谷映画は見たい!という方は、
「清須会議(清州と表記する場合もあり)ってなんだ?」とちょっと調べてみて
ざっと概要を予習する程度でもだいぶ違うと思います。
それから公式サイトの人物相関図は、是非、じっと眺めて
役者さんの顔と演じる人物の名前を事前に一致させておくのをお薦めします。
映画を見ながら覚えていくだろうと思っていると厳しいかも。どんどん登場してくるので。
できたらそれぞれの人物のキャラやエピソードなども読んでおくとなおいいです。
(特に滝川一益なんかは、予備知識がないと映画での彼のシーンは
「いったいなんのこっちゃ?」になってしまうかも)
『清須会議』公式サイト
ちょっと余談ですが私は2011年NHK大河ドラマ「江」を
途中までですが見ていたのが思いの他役立ちました。
時代はあの辺です。(江がまだ幼い頃)
お市の方の秀吉への恨みの経緯を理解していると、サイドストーリーをより楽しめます。
あとは、三谷さんの歴史好き(というか歴史上の人物、エピソード好き)による
歴史上の「あるある」ネタが各所に出てきます。
というか、出てきている、ようです。
私はあまり詳しくないので多分だいぶ見逃してます。
例えば事前にテレビの宣伝で知っていたのは、
「織田家の家系は鼻が大きい」
「秀吉の家系は耳が大きい」
特殊メイクに「なるほど」と楽しんできました。
![笑](https://emoji.ameba.jp/img/user/ca/canalove/16319.gif)
まあいろいろ書きましたが、とにかく
「清須会議とはなんぞや、は知っておく」
「役者さんと人物の名前は一致させておく」
この2点だけは、是非。
キャスティング。
これはもう文句なし。豪華すぎ。
メインの会議出席者の4人はもうその顔ぶれから当然のことながら全員言うことなしです。
一流の俳優陣の「競演」を楽しめました。
大泉さんさすがの芸達者。
秀吉の、天性の人たらしの根底にあるしたたかさが
表情で、動きで、台詞まわしで、存分に楽しめます。
ちょっとした時の表情がたまらなく良かった。
役所さんは安定の余裕ある力の抜けたコメディアンっぷり。
武骨で不器用で小汚い(笑)勝家が、観客の笑いを誘っていました。
見終ってもなんだかまた、人のいい勝家に会いに行きたくなる。
(ただ史実による今後を思うと切なくもなるんですが)
「かっこよくない佐藤浩市」さんの池田恒興。いい、いい。(笑)
「のぼうの城」の丹波と180度別人。へたれキャラお見事。
もともとご自身が丹羽長秀の大ファンでイメージがまるまるそのまま長秀だったという
三谷さん念願のキャスティングの小日向さん、
ベテランの貫禄で要所要所の大切なシーンをぐっと締めていました。
それ以外で印象に残った人。
妻夫木君の、ダメ次男、信雄(のぶかつ)役。
「コメディとしての『清須会議』」に一番貢献していたのがこの方だったかと思います。
期待通りの「大うつけっぷり」にその都度客席がクスクスと波打つように沸いてました。
中谷美紀さんの、秀吉を尊敬し愛しみ、
しかし一方で秀吉に気付かれずに上手に背中を支える妻、寧役。素晴らしかった。
田舎踊り?がとても上手でびっくり。はじけてました。
鈴木京香さんのお市。オンナの迫力!笑
きっとあの役すごく楽しかったろうと思う。
剛力彩芽さんは世間で言われているほど下手だとは思わないんですが、
豪華な「三谷ファミリー」の中ではどうしてもちょっとまだまだ印象が薄い。
この松姫役は映画のとてもとても重要なキーパーソンなのでもうひと頑張りほしかったかな。でも頑張ってました。最後の表情はよかった。
信長の弟、信包役の伊勢谷友介さん。
出番は多くありませんが、飄々とした役はお手の物、という軽やかさがこの方の味ですね。
カリスマ性あふれる信長と同じ血を継ぐ、変わり者、キレ者、スマートな感じがよく出ていまし
た。
音楽。
今でもまだ三谷作品独特のあの、
明るい中にもどこか物哀しくい、洒脱で独特なメロディラインが心地よく耳に残ってます。
三谷作品の音楽が好きな方の期待はきっと今回も裏切らないかと思います。
サントラレンタル(すみません。笑)しよう…
国際映画祭にもいくつか出たようですが、海外の評価はどうなんだろう。
課題はやはり歴史のややこしさでしょうか。
同じ時代劇でも敵と味方がはっきりしている合戦物は
割合外国人の方でもわかりやすいかと思いますが、
『清須会議』の面白さは敵味方の戦いではなく人間関係が絡み合ってのお互いの腹の探り合いなので日本の歴史に疎い外国人が観るとなると結構厳しいかも?
ただ三谷流のキレのある人間群像劇、こういう面白さはきっと世界共通。
国際的にもいい評価がされると嬉しいですね!
今、こんな本読んでます。これ、読みやすくて面白いです。
本当は映画を観る前に読み終えたかったのですが間に合わなかった。
映画は観てしまったので、マイペースでゆっくり楽しく読み進めています。
- 誰も書かなかった 清須会議の謎 (中経の文庫)/中経出版
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51PA%252BeVbeeL._SL160_.jpg)
- ¥600
- Amazon.co.jp
肝心な三谷さんの原作はまだ読んでません。
これを読み終わったら読もう。楽しみ。
![ワラ](https://emoji.ameba.jp/img/user/yu/yumi-imuy/219.gif)