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Sadistic love〜scene6〜
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「壱馬!」
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昼からの会議の準備で、会議室のある13階へと上がると壱馬の姿を見つけた。
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「おぉ、北人やん。あっ、今日からやっけ?お前1課やろ?」
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「ん、やっと松葉杖取れたから。壱馬は2課だっけ?」
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「そうや、2課。この奥なん」
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「そっか…慣れた?仕事どう?」
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「まぁ…ん。何かちやほやしてもらって、『ありがとうございます』って感じやわ。でも、お前が来たら、全部持ってかれるんやろけどな」
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「いやいや、ないない」
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「ちょっと仕事落ち着いたら、『快気祝い』兼ねてメシでもいこや」
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「ん…だね。お祝いだからね?奢ってよ?壱馬」
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「はっ?まぁええわ。りょーかい」
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『じゃな』って軽く右手を上げて歩いてくその背中を見送ってた。
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5年前。
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「隣いいですか?」
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「あっ、はい」
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俺ら2人の初めましては大学の入学式の日。
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九州から上京したばっかで、周りに知り合いなんて呼べる人は誰もいなかった。 
入学式当日、一番隅っこの席に座ってたのが壱馬で。
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『ここに座るって事は確実一人だろ』
 そう思いながらも『声かけるなオーラ』 全開で。
びびりながら近づいてった。
 でも、何事も『やらない後悔よりも、やって後悔』そう高校時代の部活の先生に言われてたから。
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『あっ、はい』
一瞬だけ目があったその人。 
黒髪の長い前髪から見える瞳が、光を帯びてるんじゃないかってくらいキレイに透き通ってて。
引き込まれそうなその目に、一瞬息を飲んだ。
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「イケメン…」
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「はっ?」 
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「やっ、何でもないです。失礼しまーす」
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隣の椅子に座るのに、ちょっと緊張するくらいだった。
結局最後まで俺らの周りには誰も座る人はいなくて。 
無事に入学式を終えて、ほっと一息。 
人の流れのままに進んでくと、右斜め前に見えたトイレの看板に『あっ、トイレ…』って急にもよおしてきた。 
何だろあの感じ。
『今いっとかなきゃ』みたいな強迫観念っていうか。
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人込みからはずれてトイレに向かうと、そこには誰もいなくて。
 何かちょっと「この感覚は俺だけか」って凹んでたら、誰かが入ってくる気配。
俺から 2つ離れた場所に立つ人。
ふとそっちが気になって右を向くと、パチっとあった視線。
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「「あっ…」」
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さっきのイケメンと2度目まして。
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「何かトイレいかなきゃ…って思いません?あの青いサイン見ると」
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 「はっ?…ふふっ(笑)」
あっ…やっちゃった…って思ったけど「俺も、同じ」そう笑った。
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これが俺と壱馬の距離が一瞬で近づいた瞬間。
それから、4年間。 特に何がどうってわけじゃないけど、一緒に居ててラクだった。 
待ち合わせをしてとかじゃない、お互い教室の中に姿を見つけたら、近くに座って「よっ」 って挨拶を交わす。
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「北人、昼飯どうする?」
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「何か食べ行く?」
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「やな」
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昼飯一緒に食べて、その流れで一緒に3限受けて、俺は部活、壱馬はバイト。
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それが俺らの日常。
『就職どうする?』みたいな将来の話しはあんましなくて。 今の会社の説明会、会場で壱馬の姿を見た時には、マジかってなった。
んで、気が付いたら俺らは同期入社。
同じ社章のついたスーツを着てる。
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『親友』『同期』
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俺らの関係性は永遠にそうだと思ってた。
ここに新たな関係性が加わるの日が、もうすぐそこまできてた。
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『ライバル』
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そうはなりたくなかったな…。
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