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Sevendays vacation〜scene16〜
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5th day
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深夜には上がった雨。
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よっぱらってて、昨日カーテンを締め忘れてて。
差し込む朝陽を瞼の向こうに感じて、目を開けた。
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「晴れやな、今日」
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天気がいいのがわかったら、昨日酔っぱらって部屋まで運んでった彼女の事を思い出して。
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昨日の夜。
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もう、まともに歩けない彼女を二階の部屋まで背負って上がった。 
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全体重を預けてきてて、正直俺も飲んでるし、ふらつくのを必死で足元を確かめるように、二階までなんとか。
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「大丈夫だから!もー、大丈夫だもん!」
って俺の背中で大暴れ。
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「暴れんなっ!大人しせーって!」
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 陸さんが言うてた事を思い出す。
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『大丈夫な人は大丈夫って言わないの』
まぁ、こんなバージョンもそれに当てはまるのかもなって。
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「はい、到着」
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ベットの上にまぁまぁな勢いで着地させると、大の字になって広がる。
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「思いっきり悪酔いやん。めっちゃ広がるし…(笑)」
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でも、そんな風に思いっきり酔えて、言いたい事言えて、俺もいっぱい聞いてもらって…。 
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何かつっかえてた一番でっかいモノが、さらさらってなくなってったこの日。
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「ありがと…。茜さん」
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そっと触れた頬。 俺の掌の感覚に、「ふふっ」て笑うと、一瞬聞いた瞼。
 その奥の茶色に俺がでっかく映る。
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「壱馬くん?」
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「ん?」
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「壱馬くん(笑)」
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そう俺の名前を呼んで笑うと、すーっと瞼は落ちてって。
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「何やねん、それ」
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でも…茜さんに呼ばれる『壱馬くん』
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優しくて、耳触りのいいトーンで…『ええな、好きやわ。それ』そう思った。
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大の字に寝てる彼女に布団をかけて、「おやすみなさい」って閉めたドア。
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俺も部屋に戻って同じように布団をかぶって瞼を閉じる。
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後3日か…。
そんな事に今更になって気づく。
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『帰りたくない』…なんてそんな事を言うつもりはない。
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やっぱり仕事は気になるし。
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心配してくれてるだろうメンバーの事も…、周りに迷惑をかけてる事だって、忘れたわけじゃない。
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…ただ。
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『もうちょっと…』そう思う自分もいた。
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茜side
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目を覚ますと、少しの頭痛。 
ベットで寝てる、私…。
何で?昨日壱馬くんと焼酎飲んで、仲直りして…。 
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誰にも言った事なかった、自分の中にある思いを口にした。

壱馬くんの思いも聞いた。
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『選ばれた人間には、責任がある』
それを聞いて、ギュッて苦しくなった。

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でも歯磨きをしてからの記憶は曖昧で、どうやってベットまでたどり着いたかの記憶は全くなかった。
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でも普段なら、寝る前には脱いでる靴下を履いたままって事は、まぁまぁ酔っぱらってた証拠で。
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斜め上の窓からは、眩しい位の光が差し込んで来る。
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「晴れ…」
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その事に一瞬でテンションがあがってく。
『昨日ここまでどうやって…』もうそっちなんて、一瞬で頭から消え去って。

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「とりあえず洗濯しよ!」
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一番に思い浮かんだのはそれで。
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ランドリーバックを持って、ちょっとフラフラってしながら部屋を出た。
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洗濯機のスイッチを入れて、その前に座る。
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私の大好きな時間。
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今日は…。ん、45分だな。
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next
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