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Answer…~scene32~
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もう、飲みすぎて頭もガンガンするし。
正直仕事にすら行きたくない。
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もう、今は全部どうでもええっていうか…。
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早川さんの事ももちろんなんやけど、北人怒っとったな。
それが俺の気持ちに暗い影を落とす。
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そりゃ、小さい頃はケンカもしたりしたけど、でも、今回みたいなんは初めてで…。
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でも、どうしたらええかもわからん。
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『はぁ…』て昨日からずっと溜息ばっか。
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9時3分前。
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ギリギリセーフ。 何とか仕事には間に合った。
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「壱馬、どした?ひどい顔だな」
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「すみません。 昨日飲みすぎて」
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「珍しいな、お前が二日酔とか」
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「...はい」
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「まぁ、たまにはそういうのもな。でさ、次の…これなんだけど。ジュエリーショップの新店。
…ルナから聞いた? 昨日、これ持ってきた時」
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「いや、詳しくは…」
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社長に渡された資料、それはルナさんが今でも大切だと思う人…その人のお店。
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ルナさんが泣いてたなんて言える訳もなくて…。
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どこまでその人の事を社長が知ってるかもわからんし、知らないフリをしとくんがいいんかなって思って黙ってた。
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「ルナの事務所に連絡来たらしいんだけど、あいつが受けられないからってうちへ… この人だよ、ルナがずっと忘れられないって言ってた人」
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目を落とした書類。
そこにある名前に目を疑った。
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『CLAIR DE LUNE 登坂広臣』
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「登坂さん…?」
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「はっ?知り合い?」
「いやっ、知り合いっていうか…俺の事なんかきっと覚えてないと思うんですけど。
ってか、ルナさんが長く付き合ってた人って、登坂さん ? 」
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「ん、そう。
俺が絶対勝てないヤツ。 まぁ、クライアントだから、『お前!ルナの事!』 なんて言うつもりはないから、心配しなくていいよ(笑)
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仕事は仕事として、これ受けようと思ってるんだ。
壱馬?…一緒に打合せから立ち会って?ちょっと冷静に話し聞けるか俺、正直自信ないから(笑)」
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「あっ…はい」
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世の中こんな偶然てある?
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俺らが初めて店に行ったあのクリスマスの日、その時には、登坂さんとルナさんは付き合ってた。
雨の日…、 早川さんと最後に過ごしたあの日。
濡れた彼女に貸してくれた洋服。 ルナさんのやったって事。
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『うちの彼女、背格好が同じ位…』 って。
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もう、何か色んな事で頭がいっぱいのまま、向かったその懐かしい場所。
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大通りから、登坂さんの店へと曲がると、隣を歩いてた社長が足を止めて、大きく息を吐いた。
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「はぁ…、よしっ」
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自分が大切やと思う人が、今でも変わらず 『ずっと愛してる人』
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その人との初対面。
まぁまぁな覚悟が必要やって位は、俺でもわかる。
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.「初めまして、 岩田と申します」
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「わざわざ、すみません。 登坂です。…はっ?お前…」
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「俺のことわかりますか? 川村と申します」
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差し出した名刺にふふって小さく笑うと「どんな偶然」って呟いた。
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「あの… 桜井さんから、お店の設計の件で」
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「はい、聞いてます。 彼女に断られて…『信頼できる人を紹介する』って。
とりあえず、 どうぞ」
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奥へと案内されると、あの頃と変わらない風景。 右奥に登坂さんの作業場があって。
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俺、ここで… 指輪。
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「あの子…どうしてる?」 その場所から目が離せない俺にそう聞いて。
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「早川さん…ですか?」
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「彼女と今、連絡とれてたりすんの?俺、とんでもないとこ紹介したみたいで。 チラッと話し 聞いて、ほんと、何て謝ったらいいか」
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「登坂さんにすごく感謝してました。謝るような事は…」
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「お前らは…? あれから…」
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その問いには、下を向くしかできなくて。
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「そっか…」
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俺の雰囲気に全てを察してくれた…そんな気がした。
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…next
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ここから、ちょっとスピンオフ的な部分をいかせて下さい。後々、大切なとこに繋がる予定(笑)
壱馬!何も考えんと、ゆっくり休んだらいいんやで!しっかり休む事が大事な時がある。himawanco