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Reverse~scene18~
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真っ暗な部屋の中、カーテンの隙間から延びる細い光。 
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ベットにゆっくり降ろされると、彼の瞳に自分が映る。
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「途中で止めたりせんで?」
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「…ん」
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ゆっくり触れられる頬。 冷たい指先に、キュって強張る体。
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「指冷たいな…俺。…ごめん」
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「大丈夫、こうしたらいいから」
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手を重ねて、指を絡めると私の掌全体に広がる冷たさ。でもこうすればカズマに…。
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「あったかい?私の手…。こうすればカズマはあったかい?」
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「ん…あったかい」
 そう言うと、 カズマの瞳の奥が揺れて、ポタって私に落ちて来た涙。
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 「あったかいな…、ん」
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目を閉じるとポタポタってどんどん涙が落ちてって。
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絡めた指を離して、その背中に腕を回した。
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「私のぬくもり、半分あげる。だから、カズマも半分ちょうだい。冷たくたっていいから …あなたを、ちょうだい?」
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カズマ side
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両腕からシャツを引き抜いて、月の光に照らされた体。
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そっと抱きしめると、体温がまじりあう。
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視線が重なるとそのままそっと重ねた唇。
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 離れたくなくて、 何度も何度も重ねるうちにだんだん息も、体温もあがっていく。
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「んッ…ァ…ゥン」
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隙間からもれる吐息混じりの紗良の声が、耳に直に響く。
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背中に回してた手。
膨らみの輪郭に沿うようにそっと包むと、その掌に重ねられる紗良の手。
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「そんな優しくなんてしないんじゃなかったの?」
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「フッ…そうやったな…」
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形が変わる位ギュって力を入れると「ンッ」って鼻から声が抜けて少し歪むその顔。
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「やっぱ、紗良のその顔ええな」
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胸の先端を口に含んだまま、体のラインに合わせて下してきた手。
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「足、聞いて」
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躊躇いながらゆっくりと動く足の間にぐっと体を押し入れて、足首を握って膝を立てた。
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 割れ目にそって指でなぞると、開いた膝が内側へと入っていくのを体で押さえつけて。
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「触って欲しいんやないん?やめるか?」
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無言で首を左右に振る。
その羞恥に歪む顔が、尚更俺を煽る。
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「やめて欲しい訳ないやんな。 もっとやんな?」
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ぐっと押し込んだ指。
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「ッ!! ヤッ…アッ…ン…」
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さぐるように指を動かすと、段々と甘い声が大きくなって。
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「ンッ!ャッ!」
一瞬跳ねた体。
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 「ここ?ここか…ふーん」
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見つけたそこ、指を曲げて擦るように触れると震えだす足。
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「ダメッ…ァ・・・・・・」 
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「ほら、かわいい声でイってみ?」
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グッと力を入れた指先。
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一瞬で跳ねた体に、締め付けられた指。
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「まだやで?」
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涙が溜まってる瞳にそっとキスをすると、小さく頷いて。
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「どうして欲しい?」
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自分の口で言わせたかった。
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 ほんま、その縋るように潤む瞳が、俺の感情を抑えきれんようにする。
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「もっと…」
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そう言いながら俺の背中を引き寄せて…、キスして欲しいとせがむ。
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「もっとな…、ええよ」
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もっと奥へと指を進めると、ぎゅーってしがみつく手に力が入って。
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「ンッ…ヤッ···ンア、カズマっ…ヤァ…!!」
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浅く呼吸を繰り返すその背中をゆっくり離すと、顔を赤くして俯いて。
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紗良の顔を細く照らす月の光に、一瞬我に返った…
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これ以上先は、紗良に一瞬でも、罪悪感を抱かせる事になる。 
そんな事はさせたくない…。
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そんな風に彼女の事を思うこの気持ち。
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そんなん知らんまま、おりたかった。
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「やめるなら、今やぞ?」
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傷つけたくない。泣かせたくない。
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「カズマ… 『途中でやめたりしない』って、そう言ったよ?」
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俯いてた顔を上げると掬うように重ねられた唇。
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一緒に罪悪感を背負ってやる。
 ごめんな紗良。
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一瞬でええから、お前の全部を俺に。
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 …あいつじゃなくて、俺に。
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…next
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