タイ人は子供に甘い、と言われると、そうかも、と思う時とそうかな?と思う時があります。

 

 昔、娘の友人で娘と同じく母親が日本人、父親がタイ人の子が、娘も通うタイの現地校から日本人学校へ転校したことがありました。現地校が合わなかったから転校したのですが、その子が唯一?タイの学校の方がよかったと言っていたのが、男の子のお行儀の良さ。

 確かにタイの躾に対する考え方の一つとして、「リアップローイ」という言葉が挙げられるかもしれません。「リアップローイ」は何かの仕事が滞りなく全て終わった、という意味もあれば、「きちんとしている」とか「お行儀がよい」というような意味もあり、子供への誉め言葉としてもタイではよく使われます。

 

 一方、日本でも女の子にはお行儀の良さが求められるけど、男の子はそうでもなかったりしませんか。昔のCMで父から息子へのことばとして、「腕白でもいい。たくましく育ってくれ」なんてキャッチコピーを目にしたこともありました。

 タイはまず、そういう躾の性差、っていうのが特にありません。もちろん、本来の男、女の違いから、タイでも女の子より男の子のほうが乗り物や戦闘物?が好きな子が多いし、体を使った遊びが好き、というのはあります。友達とちょっと悪い言葉を使ってみたり、くだらないいたずらをするのもたいてい男の子と、その辺りは日本と変わらない。

 ところが、男、女に係わらず、お行儀の良さ、大きな声を出すとか悪い言葉を使う、危ない行動をするとかってことに関して、タイの親って日本の親(私も含めた)よりかなり口うるさい気がするんですよね。大きい声で怒鳴りつけたり、叩いたりする親は街中ではあまり見ないんだけど、よ~く見ると、お行儀が悪かったり危なそうな行動を取る子供に対して、けっこう事細かに注意している親は見かけます。夫の実家を見ていても同居していた孫である義兄の子(我が子たちのいとこ)に義母が四六時中、これはしちゃだめ、こうしないと、とけっこう口うるさくて、甥が窮屈なんじゃないかと感じたことも。

 

 その反面、社会の子供に対する寛容さはタイの方が大きいと思います。

 椅子にじっと座っていられなかったり、乳幼児が出先でぐずってしまうのは、まだ小さいから当たり前、と気にすることもなく、それどころか他人の子供をあやしたり遊んでくれたり。そもそもタイ人の子供とのお出かけは大概、家族総出でそれこそおじいちゃん、おばあちゃん、年上のいとこなんかもいたりして、親だけでなく他の家族や出先の店員さんなんかまで子供の相手をしてくれるから、街中で泣き叫んだり癇癪を起こし続ける子供を目にする機会が少ないです。ま、そんな時にすぐ子供のわがままを聞いたり、お菓子をあげちゃったりするから、子供に甘いと言われてしまうのかもしれませんが。

 

 私はそういうタイの躾への考え方について、口うるさく子供の行動を抑えつけたり先回りして制限し過ぎるのもどうかな、と思ったりもするのですが、でもだからと言って日本の方がいいと思うわけでもなく。タイと日本の躾に対する考え方の違いがあるのだな、と思うだけです。

 ただ、タイの方がいいと思うところは、やはり、社会の子供への優しさと、それから躾の価値観に性差がないことでしょうか。だっておかしくないですか?男はいいのに女はだめなことがあるなんて。

 

 また、躾の中身をよ~く見ると、タイは危ないとか乱暴とか野蛮的なことを嫌うのかな、とも思います。日本みたいに箸の持ち方とか他人の迷惑にならないとか、そういうマナー的なことはあまり気にしないけど。そういうところももっとよく細かく見ると、タイ人と日本人がそれぞれ何を大切にしているのかがよく見えてくる気がします。