21.衝撃的な事実―前妻の行方
冬休みに入った
子どもたちが、前妻に会う
当然、わたしには知らされることはない。子どもたちも、前妻と会うという以外に話すことはなかった
離婚してから、もう半年が経とうとしていた
いまは、生活のリズムもだんだんと出来てきた
相変わらずの味気ない夕飯だったが、子どもたちには、ホントに申し訳ないけど、慣れてきてくれたようだ
あの時、怒鳴ってしまったこと(第9話参照)は、長男は忘れていないだろう
でも、あの時から、ほとんど一緒に夕飯を食べるようになった
前妻との間では、財産分与で、あの家は、すでに所有権移転して名義変更した
あと、一方的と感じた離婚協議書は、回答せずに無視していた
しかし、また何か言ってくるんじゃないかと嫌な予感がする…
前妻と会った子どもたちが帰ってきた
夕飯を一緒に食べたそうだ
「お母さんは何か言っていたか?」とわたしが聞く
長女が「お母さんが再婚するって」と言った
「えっ?」
もう他人だからいいんだけど、聞いてしまった
長男が「隣町にいたけど、もう地方に引っ越ししたって」
「あっ、そうなの でも早くないか?」
離婚してまだ半年も経ってないだろう
ふたりが「そうだよねー だから、なかなか会えなくなるからって言っていた」
そんなに、サラッと言うけど、あなたたち大丈夫なの?
子どもたちが部屋に戻った
再婚したとは…
わたしが思っていた「嫌な予感」をはるかに超えるものだった
また、父親が言っていたこと(第17話参照)が、あながちウソじゃなかったって思えてしまう
久しぶりに会った子どもたちに、再婚すると言ってのける
たとえ報告すべき内容であろうと、子どもたちに言う必要があったのか?
子どもたちが、どう思うか考えなかったのか?
結局は、前妻は自分のことを伝えたいだけ。つまり、自分優先ってことじゃないのか?
そんなことを酒を飲みながら考えていた
今年ももう終わる。来年は、長女は大学生、長男は高校2年になる
来年は良い年にしたい(良い年になればいいなぁ~)
しかし、年明けに来た一通の封書から、事態が変わっていく
…続く…
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