所詮、すきかわからない、幼稚な俺じゃ、認めてもらえないのだ。
ここでこうしている間に、誠は何を考えているのだろう。
まさか、もう、やめようなんて思ってないだろうな。
まさか、俺から離れようなんて思ってないだろうな。
まさか、あの男のところに行ってしまう気なんじゃないだろうな。
それだけは、それだけは許せない。
智久は突然、むくっと起き上がって、ベッドから降りた。
そして、智久は突発的に座っていた誠をなぎ倒して、上に乗っかる。
「うわっ」と誠は悲鳴を上げたが、馬乗りになって見下ろしている智久の顔を見て、「な、なんです…?」
と聞いた。
「サイテーだよな」
と、智久は言う。視線をそらして、
「本当は、付き合ってからしたかった」
と、そう言って、そのまま誠に覆い被さった。
突然のことに、誠は目を見開いたまま、智久の唇を受け取った。それは、唇どうしが触れるだけの拙いキスで。
顔を起こす智久。それを凝視している誠。
顔が赤い智久と、間近で視線がぶつかった。
誠は智久の肩に首に腕を回した。そして、もう一度、智久の顔が下りてきて、ふと目を閉じた誠。
深い、深くて長いキスをした。舌を絡め、歯列をなぞり、貪るような。
それからしばらく、二人は身体を抱き合わせたままだった。
全身に熱を帯びている。熱い。けれど、何もしちゃいない。
このまま、俺たちは離れるのか。
突発的に動いて、誠の願いを叶えたものの、本当に誠は俺を試していたのか、解らなくなってしまった。と、智久は、誠の温もりを感じながら思うのだ。
俺たちは付き合ってはいない。その事実は変わらない。
だから、もう一度声をかけてみたのだ。
「誠」
「はい」
「俺たち、付き合おう」
答えはイエスかノーか。
結局話し合いにはなってないが、想いをすべて伝えたというわけでもないが、言いたいことはこれに限った。
「俺は、智久さんのこと愛してますよ」
「…うん」