ウィーン・ミュージアムツアーでガイドしてくださった、オーストリア国家公認観光通訳ガイドの資格を取得している久保幸子さんのツアーに再び参加してきました。

 

ウィーン・ミュージアムツアーの記事はこちら↓

 

今回は、ユダヤの歴史とフロイトにフォーカスした内容のツアーです。

 

フロイト博物館は、ずっと気にはなっていたものの、行く機会を逃し続けていたので、ツアーの内容を見たときに、これは行くべきだと!と思い、ウィーン・ミュージアムツアーよりも先にこちらのツアーに申し込みをしていて、今回のツアーで行けることをとても楽しみにしていました。

 

ユダヤの歴史も学ぶツアーということで、町歩きからスタート。

 

集合場所であるユダヤ人広場にある、ユダヤ継承の碑。

本のページ側が見える形で四方が囲まれたモニュメントで、本は知識の民と言われているユダヤ人を、その本のページは犠牲になったユダヤ人の方たちの人生を表しているそうです。

 

モニュメントの周りには、アウシュビッツなどをはじめ亡くなった方たちの場所が45ヵ所記されていて、モニュメントの隣には真下に中世のシナゴーグがあったことを記すプレートがあります。

近くにあるユダヤ人博物館からこのシナゴーグ跡まで地下で繋がっていて、見学することが可能なんだそう。いつか訪れたいと思います。

 

レッシングの銅像。

レッシングは啓蒙時代のドイツの作家・思想家で、彼の「賢者ナータン」の中の三つの指輪というお話が、ユダヤ人などをはじめとする宗教の在り方に対して寛容でリスペクトされるものだとして、このユダヤ人広場に彼の銅像を建てるに値するとして、レッシングの銅像がここにあるそうです。

 

ヨルダンの家。

実際に人が住んでいる住居としてウィーンの中で一番古いとも。

 

外壁に埋め込まれたレリーフに書かれている内容が、ユダヤ人にとってあまり良ろしいものではないので、建物の取り壊しの話が何度も出たそうなのですが、歴史的に価値のある建物を壊してしまうのは果たしていいものなのか?ということもあり、

近くの建物にお詫び状のようなものを掲示することによって取り壊すことなく現存されています。

 

ホロコースト研究所。

こんな研究所があったとは…

 

ザイテンシュテッテという通り。

ユダヤ教徒のコミュニティ、宗教施設で中には立派なシナゴーグもあるそうです。

 

2020年に起きた銃乱射テロの容疑者もここの通りを通り抜けて、犯行に及んだそう。

 

ウィーンはヨーロッパの中でも比較的治安は良いほうだと平和ボケしていた私にとってかなりショックな事件だったので、今でもよく覚えています。

 

ツアーで訪れた日は警備員さんは一人でしたが、ユダヤの大切な祝日などは警備も強化され、物々しい雰囲気になるそうです。

 

テオドール・ヘルツェルの記念プレート。

イスラエル建国の父ともいわれていて、シオニズム運動をした一人です。

 

戦争犠牲者の碑。

心が沈んでしまうような暗く悲しいお話が多いですが、この天気の良さに救われました。

 

曇りだったら、もっと陰鬱な気分になりそうです…

 

そして、町散策をしながら最終目的地のフロイト博物館に到着。

フロイトもユダヤ人で、パリ経由でロンドンへ亡命しています。

 

患者さんの待合室。

 

これはフロイトの仕事部屋(物書きなど)で、窓にかかっている鏡は

 

今もこうして当時と同じように掛けられていました。

フロイトは手紙を約2万通書いたという大変筆まめな人だったそうで、うち半分は現存しているんだとか。

 

左の本は、フロイトの有名な本「自我とエス」

 

初版の600万部売るのに10年近くかかった「夢判断」。

夏の一時帰国した際に読んでみたいです。

 

フロイトの私物。

 

 

このトランクケースで亡命したそうです。

フロイトの生い立ちについては全く知らなかったので、ユダヤ人という苦労の中でも研究や診察に勤しんでいたフロイトはすごいなと思いました。

 

そして、このフロイト博物館があるのは、フロイトがロンドンへ亡命する直前にフロイトの仕事場や生活環境を写真として残してくれたユダヤ人のエンゲルマンという人の功績が大きいそうです。

当時写真を撮る行為というのは危険なことで、ナチスに目をつけられたら最悪命を落としてしまう可能性もあったのですが、彼が文字通り命を懸けて写真に収めてくれたからこそ、当時の記録が正確に残っていて復元が可能になったそうです。

 

こういうエピソードを聞くと、本当にこの場所にフロイトがいたんだ~となんだか不思議な気持ちになります。

 

 

今回ツアーで周った場所は全て初めて訪れるところだったので、ウィーンに長くいるようで、まだまだといったことのない場所や通ったことのない道がたくさんあるなと思いました。

 

行く先々で目に映る新鮮な景色を面白い知識とともにインプットでき、今回のツアーもとても有意義な時間でした。

 

 

🌻