オーストリア国家公認観光通訳ガイドの資格を取得している久保幸子さんが、オーストリア在住者向けに開催している日本語のガイドツアーがあり、そのツアーに初めて参加してリニューアルオープンしたばかりのウィーン・ミュージアムへ行ってきました。
ウィーン・ミュージアムは、リニューアルオープンしてからの数ヶ月でリニューアルオープン以前の年間の来場者数に達してしまうくらい人気のあるミュージアムです。
その大きな理由の1つに、常設展はなんと毎日入場無料というウィーン市の英断があります。
太っ腹!!!!
ウィーンの歴史をよりいろんな人に身近に感じてほしい、という思いもあるんだとか。
素晴らしい判断です👏
しっかりと勉強させていただきます。
ここのミュージアムは、様々な年代の美術や建築、文化や歴史を幅広く学ぶことができます。
解説を聞きながらメモしたことがいっぱいあり、いまだにまとめきれていないのですが、私が面白いなと思った展示や、ミュージアムのハイライトを少し紹介したいと思います。
これは、1区で発見されたマンモスの牙!
様々な年代の歴史を知ることができると聞いていたのですが、まさかマンモスがいた時代にまで遡るなんてびっくりです。
ウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂の模型。
ドイツ人の模型製作者が、依頼されたわけでもなく、趣味で作り上げたんだそうです(笑)
この銅像たちは、シュテファン大聖堂の壁に置かれている銅像のなんと本家様!
真ん中の二人は、シュテファン大聖堂を大規模に増築したルドルフ4世とお妃さまので、左の二人はお妃さまのご両親、右の二人はルドルフ4世のご両親です。
実際のシュテファン大聖堂には、レプリカの銅像が飾られているそう。
ちなみに、これは1400年ごろの中世のウィーンの都市模型ですが、
シュテファン大聖堂は、増築される前の姿になっているのが分かります。
これは、ウィーン第一次包囲が起きた1529年ごろのウィーンの地図なのですが、
南が上として描かれている珍しい地図なんです!
この地図を制作したメルデマンという人は、実際にウィーンにいたわけではなく、シュテファン大聖堂の塔の上からウィーンの様子をスケッチした人から情報を買い取って、それをもとに制作したんだそう(笑)
ウィーン第2次包囲の際にトルコ軍が使っていた武器など…
と思われていたのですが!
最近の研究で、友好のために送られた武器なのでは?という説も出てきたそうで、現在進行中で研究がされていることを伝えるポストイットが貼られています。
マリア・テレジア時代の展示も充実。
そして、ビーダーマイヤー時代
技術革新が進み始めた1870年ごろ
1873年にドイツ語圏では初となる万博が開催され、このモノクロ写真からは万博の様子が分かります。
現在のプラーターあたりが会場だったそうです。
エドアルド・ジュースさんの胸像。
この技術革新が進んだ時代に、ウィーンの水路の改革を行った人で、この人が敷いた水路は、現在のウィーンに敷かれている水路の礎になっています。
お隣には水洗トイレの展示がありますが、水路改革にも伴いこの時代から普及してきたそうです。
時代は進んでいき、当時のトレンドの衣装の展示。
男性は黒い服、女性はお尻あたりにボリュームのあるドレスで、子供は白いドレスを着てお散歩するのが、当時のトレンドだったそうです。
クリムトの絵画や、
エゴン・シーレの絵画
これは、クリムトが制作中に着ていたエプロン。
突然現れたマイメロディーのマスコットは、
2019年に東京で開催された展示会に際して作られたお土産グッズだそう。
戦後のオーストリアの歴史から、
現在のウィーンの展示になり、
長かったウィーンの歴史を巡る旅は終了です。
ここで紹介したものも、ガイドで解説してくれたものもかなり厳選しているので、全ての展示をゆっくり見ようと思ったらここのミュージアムで一日過ごせてしまうと思います。
最後に。この天井から吊り下げられている、ひと際目立つ大きな展示は、
この写真だと分かりにくいのですが、クジラのオブジェです。
あまりにも大きいため、このミュージアムが完成する前に予め中に搬送されたそうです。
ということは、今後もしこのオブジェを出したいとなった時には、ミュージアムを壊さないといけないことになります(笑)
久保さんの素晴らしい解説のおかげで、私一人だったら気にも留めないような展示にも目を向けるきっかけがたくさんでき、展示内容についてより詳しく知ることができ、面白いお話もたくさん聞けて、とても楽しく有意義な時間を過ごすことができました。
このツアーで得た知識をもう一度整理してから、また近いうちに行きたいと思います。
今回ガイドをしてくださった久保さんのHP↓
https://www.viennacultureguide.at/
🌻