僕は高校卒業以来世の人との交流はほとんど無かった、というか作らないようにしていた。


それがこの新たなバイトで一気に世との交流が増えた。

特に同世代の若者達と接し、意外と悪くは無かった、というか全然いい人たちだった。


職場には大人の社員、おじさんたちもいた。もちろん世の人だ‥


フランチャイズの店でオーナーがJRの子会社だからJRの出向社員がいた。

数年で入れ替わるらしく皆入ったばかりは苦労してた。

社員って大変なんだなぁと実感した。


若者とおばさんを上手く回し、毎回変わるシステム覚え、慣れない接客をこなす‥

みんな努力家で家族想いのすごくいい人たちだった。そして僕は彼らのよく話し相手になって愚痴を聴いていたよ。


ある時僕はメンテの休憩中寝すぎてしまい、オープンクルーが来るのにドアの解錠対応出来なかった。

ドアをガンガン蹴る音でやっと起きた僕は、S社員に怒鳴られ怒られた。

『休憩するのはいいけど、ちゃんと解錠の時には起きてろ!』との事。

全くその通り!厳しくも無理の無い叱責だった。

それから1度も失敗はしていない。


そのS社員は僕を気に掛けてくれており、こんなに真面目にフリーターやってるなら、いい正社員の仕事紹介すると何度も言ってくれた。

また彼には小さな子供がいたのだか子供の話をよくしてくれて、家族を持ち子供がいるのはいいぞと幸せそうにすすめてくれた。


そして彼がJRに戻る時がきた。名残惜しく二人とも目頭を熱くし肩を組んで記念写真まで撮って別れを惜しんだ。

いい思い出だ。


とても家族想いの努力家の面倒見のよいいいおじさんだった。

肉欲にふける自己中心的な快楽に溺れてはいなかったね。