地球規模で起こる金融危機 Ameba -3ページ目

スイスフラン高と外貨準備高の減少 スイス経済に暗雲


ユーロ諸国や米国経済だけでなく、永世中立国として君臨し続けて
いるスイス経済に本格的な陰りが見え始めた。


最もよく報道されるものとして、急激なスイスフラン高だ。
スイスフランは過去5年間で、ユーロとドルに対し、約25%も上昇し
ている。
しかしこれだけの話なら、日本円はそれ以上に高くなっている。
両国における決定的な違いは、GDPにおける輸出の割合である。


スイスの輸出割合はGDP比で約30%。
5年前と比べればやや割合は減ってきているが、それでも3割という
数字はとても侮れない。
ちなみに日本の輸出割合はGDP比で16%程度。
主要先進国では米国に次いで低く、G20でも米国、ブラジルに次ぐ
低さである。


最近のスイスフラン高で、同国の輸出産業は大打撃を被っている。
工作機械、腕時計、医薬品はスイスの輸出全体で5割を占めている。
こういった下請けを含めた企業が、今まさに悲鳴を上げている状況だ。
労働力の国外依存が増してきているといえる。
日本の比ではないといえよう。


こういった中、政府は先月中旬、フラン高対策として20億フランもの
緊急支援を発表した。
日本円で約1900億円であるが、国内向け企業などから相次いで
批判が起り、最終的に8億7000万フランの支援で決まった。
ユーロとドルが下落すると、最も買われやすいスイスフランと日本円
が上昇しやすい為、今後も両国通貨の上昇がやってくるだろう。


一方で日本円は、政府・日銀の円安介入が頻繁に行われていること
から、ある程度は一時的に抑えられている。
しかしスイスフランは介入という政策を基本的にとっていない。
最近では2009年3月に市場介入を実施してきたが、その後は為替
介入を中止してきているのだ。
そういった意味では、ナンダカンダと言って日本政府は円高対策を実
施してきたということであろう。
決して放置してきたわけではないのである。
(効果があるかないかについては別問題)


またUBSやクレディスイスといった銀行の損失も増している。
リストラも当然激しく、先日もUBSは3500人の人員削減を発表。
2013年までに実施するらしい。
同社は金融危機後、すでに1万4千人近くのリストラを断行していた。
後者のクレディスイスも同じく人員削減の嵐である。
同国の外貨準備高も2009年には1000億ドル近くもあったのだが、
翌年には220億ドル程度まで急減している。


スイスの市場介入は久しぶりに実施されそうだ。
日本ほど外貨は持っていないが、一定の介入には踏み切りざるお得
ないだろう。
問題は介入で手に入れたユーロやドルを何に使うかである。
主にユーロ諸国の国債や米国債に振り向けることしかないであろう。
このことはECB(欧州中央銀行)にとっても都合がいい。
自分たちに代わって、スイスがスペインやイタリア国債などを買ってく
れれば、自分たちはボロ屑債の購入を減らすことができるからだ。
果たしてそううまく問屋が卸せるだろうか...?



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

ハンガリー 肥満の防止のため課税!? 「ポテトチップス税」


財政危機が深刻化している東欧ハンガリーが、スナック菓子や清涼飲
料水といった、比較的塩分や糖分が高い食品に 「ポテトチップス税」を
導入し、9月1日から施行された。


同国ではすでに財政赤字削減のため、銀行税が引き上げられており、
今回の税についても6月下旬に国会に提出されていた。
そして今月からの実施に至っているわけだ。
食べることに生きがいを感じている同国民にとって、今回の課税によっ
て本当に肥満の防止につながるのだろうか?
甚だ疑問だ。


しかし同国政府にとっては蔑ろにできない状況だったに違いない。
ハンガリー国民の肥満率は、EU域内では堂々の(!?)第2位。
医療費などの問題を考えても、国の財政と同様、以前から社会問題化
していた。


だがこれから大人になる子供達なら、一定の肥満防止につながる可能
性もあるが、成人の場合はなかなか難しいのではないだろうか。
皮肉にも、ハンガリーの伝統料理に対しては課税しないというのだ。
どういった料理があるのかまでは知らないが、とにかく政府の表と裏の
意図がうかがえる。


それでも今回の措置は、あくまでも財政再建が主な目的。
景気の良い時は、こんな課税なんてするハズがなかっただろう。
しかも増税によって、同国の景気が一層冷え込むという逆効果も十分
予想される。
同国の消費税はすでに25%。
北欧諸国などと共に最も高い水準である。
一方で失業率は今でも10%をウロウロしている状態。


住宅ローンの焦げ付きも深刻で、金融危機前はスイスフラン建てで借
りていた人も多かった。
その後は通貨フォリントが対スイスフランで30%も暴落し、一気に返済
額が増加してしまったのだ。
同国で発明されたルービックキューブのように、不況の出口についても
根本的な解決策は容易には見当らない。
食品の課税なんかより、外国からの投資を積極的に促進すべきだ。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

豪州(オーストラリア) 住環境1位も、環境汚染は最悪部類


世界で最も住みやすい都市ランキングが、今年も英国誌エコノミストに
よって発表された。
その結果、豪州第2の都市メルボルンが第1位に選出。
同国最大の都市シドニーも順位を1つ上げ、6位に入賞。
同じくパースとアデレードはともに仲よく8位に入ったという。


またカナダの都市も3、4、5位を確保して、豪州と住みやすさランクを
争っている。
同誌の調査によれば、上位をほぼ独占している両国は人口密度が低
く、世界的な資源会社があることも理由としている。
ちなみみに東京は18位で、アジアでは最も順位が高かった。


この調査は政治・社会的安定性、犯罪率、医療水準、文化的イベント、
自然環境の多様性と質、教育、公共交通機関を含むインフラの質など
で都市を総合評価したというもの。
だが犯罪率でいえば、豪州やカナダの都市評価は落ちるだろう。
その他でカバーしたというものか。


しかし自然ではなく、人工的な環境問題で考えると、豪州は先進国で
は最悪の部類に入る。
なぜ世界的な資源会社があることが、評価を上げてしまうのだろう?
しかも日本のように環境技術のことではない。
このことが理解できない。


また豪州は資源大国ということもあるが、火力発電が全体の8割を占
めている。
つまり石炭を燃やすことであるが、同国の一人当たりの石炭消費量は
世界1位

人口が少ない国だからこそ、今まで中国や米国ほど注目されなかった
だけである。


それと社会的な安定というのも疑問が湧く。
どこかの国と違って政治は確かに安定しているだろうが、豪州は薬物
が蔓延している国でもある。
つまり中毒者の割合が非常に高いということだ。
また同性愛者が多く住む国でもあり、とくにシドニーは米国サンフラン
シスコに次いで多い都市といわれている。
これが文化であるといわれれば、確かにそれまでだが、いずれも身体
や精神などに悪影響を与えることであるから、決して褒められたもので
はないだろう。


筆者は短期間であるが、豪州留学の経験がある。
大自然と豪快な食文化、人々の優しさ、そしてのんびりとした時間は
経験できた。
しかしその裏では貧富の差などが拡大しており、犯罪率も日本以上に
多いことから、一部では日々の生活行動が制限されてしまったことも、
また事実だった。


エコノミスト誌の調査は、一般の人々が持つ偏見と、西洋文化を単純に
買いかぶっているだけのものではないだろうか。
そんな気がしてならない。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

日本の失業率 2か月連続で上昇 男性の雇用環境が悪化へ


総務省が先月30日に発表した労働力調査によると、7月の完全失業
率は、前月比0・1ポイント増の4・7%となったという。
これは2カ月連続の悪化。
解雇や期間満了など、非自発的な離職の増加が悪化の要因らしい。
他にもフランス、スペイン、アイルランドなどが、2か月連続で失業率
が悪化している。


最近の日本の場合、男性の雇用環境が女性より厳しい。
東日本大震災が発生した3月の失業率は4.6%であるが、男性の失
業率は5.1%、女性は4.1%であった。
その後も男性の失業率が女性を上回っている状態だ。


大まかな見方としては、震災後は工場などで働いていた人が職を失い、
多くの男性従業員が一時的に解雇された。
その分の家計の支えとして、女性が働きに出かけたというもの。
しかし生活の穴埋めには程遠い。


部品などのサプライチェーン問題がほぼ解決されても、今後は急激な
円高が訪れる。
自動車や家電といった大衆製品の海外進出は、非情にもどんどん進ん
でいくだろう。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者

スペイン 住宅ローン契約数が半減。プロサッカーもスト発進


スペイン国家統計局によると、2011年6月の住宅ローン契約数は、
前年同月比42.4%減少して3万2680件だったという。
これで1年以上連続の下落。
また調査開始以来最も低い数値になったという。
同国の不動産バブル後遺症は深刻だ。


またスペインのサッカーリーグである 「リーガ・エスパニョーラ」
運営も困難を極めており、全20チームが今季のリーグ戦、第一試合
のストライキを決行。
選手200人分の給料が未払いだという。
何とか先週の第二試合は徹夜の末、ようやく組合と協議がまとまり、
ストが回避された模様だ。
スペインリーグのストは、過去72年間のプロリーグで初めてという。


とにかくスペインの産業で徐々に伸びてきているのは、観光産業。
今年1月~7月までにスペインを訪れた外国人は、3200万人超。
昨年同時期よりも7.4%上昇したようだ。
また7月だけの単月でも過去最高レベルに達してきている。

同国の住宅価格は金融危機以来、22%超も下落している。


ECBは今月7日、スペインとイタリア国債の購入を表明し、遅滞なく
実施されたが、危機はどんどん深まるばかりだ。
また国債償還についても2013年夏まで、四半期ベース間で少なく
とも150億ユーロ以上の償還が繰り返されるのだ。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者