PCL素材の糸やボールを使っての隆鼻・鼻尖形成・鼻中隔延長の是非 | ヒルズ美容ステーション

PCL素材の糸やボールを使っての隆鼻・鼻尖形成・鼻中隔延長の是非

“切らない隆鼻術”

 

“切らない鼻中隔延長”

 

“切らない鼻尖縮小”

 

“切らない小鼻縮小”

 

・・・

 

そもそも

 

“切らずに隆鼻・鼻中隔延長・鼻尖縮小・小鼻縮小”

 

という表現が正しいかどうかわかりませんし、

 

医師・診療施設によって賛否もあるでしょう。

 

 

私の見解では、

 

隆鼻はプロテーゼや自家組織移植、

 

鼻中隔延長は自家組織移植、

 

鼻尖縮小や小鼻(鼻翼)縮小は適切なsuturingが必要だと考えます。

 

 

今回は未成年の患者さんです。

 

なんと鼻にPCL素材の糸やボールが挿入されていました。

 

しかも挿入時の年齢が16歳というのも衝撃でした。

 

 

これらPCL素材の除去についてですが、

 

私は経験上オープン法による除去を推奨しています。

 

というのもPCLボールは鼻翼軟骨の変形を起こしていることが多いのですが、

 

同時再建が必要な場合が多く、クローズ法で行うよりは出血が少なく、

 

より確実に除去と再建ができます。

 

またPCLの糸ですが、こちらもオープン法で行います。

 

変形等は少なく簡単に取れそうに思えますが、

 

細い糸が束になり、“鼻尖部〜鼻根部〜鼻尖部”と鼻根部でPCLの糸が折り返されているため、

 

安全かつ確実に除去するには、その片側を確実に同定する必要があります。

 

過去に他院でクローズ法で除去したと説明を受けた方でも、

 

しっかり糸が残存し、ブラインド操作で無理に除去しようとしたのか、

 

一部変形が生じている症例もありました。

 

 

PCL素材の糸やボールは数年経過してもしっかり残存していますし、

 

周囲組織との癒着も強いです。

 

 

いずれにしても15〜16歳にこのような糸をいれるものではないと思います。

 

          丸山成一