隆鼻術+鼻尖縮小術〜ハイブリッド型(ゴアテックス+プロテーゼ)隆鼻〜
今回は鼻筋が不明瞭で、鼻の重心が下(ワイドな鼻翼/団子鼻)にある症例に対し、
その症状を改善すべく隆鼻術と鼻尖縮小術を行いました。
患者さんからは、
“眉間から高さをだして欲しい”
“小鼻を縮小したい”
“横から見たときにストレートではなく、若干カーブが欲しい”
という要望がありました。
このような場合は、
側貌で前額部(おでこ)から連なる曲線を生かしつつ、
眉間からボトムそして鼻尖にかけて自然な曲線美を出すようにします。
そこで隆鼻の一部素材にゴアテックスを使用することにしました。
これは眉間部にはある程度の柔らかさをもたせ、
ボトムのやや頭側から鼻尖にかけてプロテーゼが形成する鼻梁に対し、
自然な連続性をつくる(*)ためです。
(*)ゴアテックス+プロテーゼを骨膜下に移植するハイブリッド方式です。
私は更に鼻尖に高さをだし、少し尖らせたほうがより美しくなると考え、
鼻尖縮小と耳介軟骨移植を提案しましたが、
本人が希望されませんでしたので、鼻尖縮小のみ行いました。
一方本人が希望された鼻翼(小鼻)は、
隆鼻と鼻尖縮小効果により、目立たなくなることも多いと説明し、
今回の手術と鼻翼(小鼻)縮小の同時施術は行いませんでした。
もしそれでも気になるなら今後検討するということになりました。
それでは症例を供覧します。
術前の状態です。
鼻筋が不明瞭、団子鼻と鼻翼(小鼻)が広がっています。
そのため鼻の重心が下方にあります。
また側貌で眉間から鼻根部の高さが不足しています。
手術は局所麻酔(*)で行いました。
(*)術中に形態を確認してもらうためです。
これは術者がよいと思っても、
患者さんがその変化についていけない場合があること(満足度が低い)、
また術後は腫れが予想され、ダウンタイム中の不安要素を取り除くため行っています。
私は肋軟骨移植による鼻中隔延長、骨切りを行う以外は全て局所麻酔で行います。
今回は同時に鼻尖形成で各鼻翼軟骨の折れ目をかえ縮小うるために、
オープン法でアプローチしました。
軟骨上は皮下を剥離し、頭側は眉間部やや上方まで骨膜下を剥がし、
ゴアテックス+プロテーゼが挿入するスペースを作成しました。
プロテーゼを術前のシミュレーションどおりに削り、
ゴアテックスと接合させ挿入しました(2〜4mm)。
鼻尖部は各鼻翼軟骨の折れ目をかえるように縫合し、
更に軟骨同士を縫合しました(鼻尖縮小)。
最後にbefore & afterを確認します。
鼻筋がとおり重心がかわりました。
また隆鼻と鼻尖縮小により、鼻翼(小鼻)の広がりも目立たなくなりました。
側貌も眉間部に高さが出たことで、前額部(おでこ)からの曲線が綺麗です。
ゴアテックスとプロテーゼ挿入により、
眉間から鼻尖まで続く自然で綺麗な鼻梁が形成されました。
アジア人は鼻根が低く、鼻尖の広がりが目立つ(団子鼻)ため、
隆鼻+鼻尖形成(縮小や組織移植)が適している考えます。
次回は眼瞼の他院修正症例をアップします。
丸山成一
隆鼻術【リスク・合併症】
内出血、腫脹、凹凸、感染、太い鼻筋(アバター鼻)、鼻筋が曲がる、プロテーゼ・ゴアテックスが動く、ゴアテックスが癒着する、位置異常、鼻孔の左右差、プロテーゼが飛び出す、目頭の距離が狭まる、 傷の哆開(しかい;傷が開く)、鼻腔内瘢痕形成(傷が肥厚し目立つ可能性がある)、 瘢痕拘縮(引きつれ)、テープかぶれ、ヒトアジュバント病、 自分が想像してた結果と異なるなどが考えられます。
鼻尖形成【リスク・合併症】
内出血、腫脹、感染、鼻尖が硬くなる、アップノーズ・ダウンノーズ・ピンチノーズ・パロットノーズ・ポリービーク変形など鼻尖の形態異常、鼻孔の変形・左右差、 鼻尖と鼻翼の間の溝が強調される、傷の哆開(しかい;傷が開く)、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ可能性がある)、瘢痕拘縮(引きつれ)、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、縫合糸膿瘍、テープかぶれ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。