美容外科手術後のケア〜まとめ〜
美容外科の手術がうまくいっても、その後のケアで実はその仕上がりに大きな影響がでます。
そこで今回は重瞼術や小鼻(鼻翼)縮小など、
意外に知らない、あるいは怠りがちなケアについて、
美容外科手術後のケアについてまとめてみました。
【重瞼術(埋没法・切開術・眼瞼下垂術)】
★気になるのはわかるが、片眼をつぶって鏡で確認することや自撮りをしない。
理由は糸が緩む・外れる可能性があるからです。
切開では表面の糸が外れなくても、中の糸(挙筋腱膜にかけた糸など)が外れる可能性があります。
★最低2週間はコンタクトを入れない。
理由はまぶたをさわるので糸が緩む・外れる可能性があるからです。
★下を向いての読書やスマフォをみない。
理由は腫れるからです。
★隠したいのはわかるが、お化粧は抜糸後もできるだけ避ける。
理由は抜糸前のお化粧が感染の原因になること、創傷治癒(傷の治り)の遅延になること。
抜糸後は乾燥するからです。むしろ保湿が大事。傷には湿潤環境がベストです。
【小鼻(鼻翼)縮小】
★小鼻(鼻翼)縮小や人中短縮などの術後は安静にすること。
理由は口・鼻の周囲は動くからです。傷は動かせば動かすほど、
傷の幅を広げ肥厚したり(肥厚性瘢痕)、凹んだり(陥凹性瘢痕)、
あるいはひきつれ(瘢痕拘縮)ます。
そのため、口を「う〜」の状態にして、
両ほうれい線をまたぐようにテープ固定を四六時中数ヶ月(3〜6ヶ月)行います。
「長い!そんなの出来ない!」という意見は最もですし、よくわかりますが、
仕上がりに大きな違いがでます。
傷をなめてはいけません。
【脂肪吸引】
★吸引部分の圧迫(最低2〜4週間)
脂肪吸引は、脂肪を吸引したから引き締まるのではありません。
理由は吸引した部分にデッドスペースが生じるので、
圧迫することでそのスペースを癒着させることで引き締まるのです。
圧迫はきつめで、装着期間は長ければ長いほどよいでしょう。
【顔や関節周囲の傷跡修正】
★傷を修正したら“綺麗になる!”は大間違い
理由は傷が術後3〜6ヶ月はどのようにも動くからです。
傷には可塑性(かそせい)があります。
可塑性とは、お餅に例えるとよくわかりますが、
お餅はつきたては伸び縮みしますが、
時間がたつとかたくなり、伸び縮みしなくなります。
傷はその期間が3〜6ヶ月もあり、
安静にしておかないと、どのようにも変化するわけです。
そのため、テープ固定や関節周囲などは必要があれば、
ギプスで固定する場合もあります。
【黒子除去】
★カサブタが取れるまでお化粧しない。
理由は黒子を除去したら、そこは創傷治癒が起こります。
創傷治癒が進むためには湿潤環境が最も適しています。
お化粧をすれば創傷治癒が阻害され、
お化粧の成分が中に入り込み汚く治ってしまうので、
せめてカサブタが“自然に(*)”取れるまでは軟膏を塗布するなり、
創傷被覆材などで保護しておきましょう。
(*)カサブタは無理に剥がしてはいけません。色素沈着や凹みの原因になります。
美容外科の手術は抜糸をしたら終わりではありません。
その後のケアはとても大事です。
手術自体が上手くいっても、
その後のケアを怠れば、
せっかく痛い思いをしたことが無駄になってしまいます。
丸山成一