炭酸ガスレーザーでホクロを取った直後ってどうなってるの?
レーザーでホクロを取った後、
直後の皮膚がどのような状態になるのか・・・
意外に知らない方が多いので、
今回はその直後の皮膚の状態と、その後の経過についてお話します。
最近ではホクロを取る場合に、
炭酸ガスレーザーを使用するクリニックが増えましたが、
まだレーザーを常備していない施設では、
ホクロが小さくても切除したり、
電気焼灼(でんきしょうしゃく)といって、
電気メスを使って、一部の正常な皮膚を含めて焼き切ります。
特に電気焼灼は正常組織へのダメージが大きく、
色素沈着や皮膚が陥没してしまうこともあります。
では炭酸ガスレーザーで黒子を治療した場合、
どのように除去され治癒するのでしょうか?
炭酸ガスレーザーは水に反応するので、
照射部分が蒸散されることで、黒子は削り取られます。
皮膚は水分を多く含むので、非常に理にかなった治療だといえます。
ただし、深くまで蒸散(削って)すると、
創傷治癒過程で凹んだ傷になるので注意が必要です。
そのため、深い部分にまで認めるホクロ(*1)や、
毛穴の多い鼻や頬に認めるホクロ(*1)の治療は、
数回に分けて行えば(*2)凹むリスクを減らせ安全に治療ができます。
(*1) (*2) 慎重に治療しても凹む可能性はあります。
(*2) 残存しているために、28日周期でターンオーバーして再発します。
2回目の照射は、1ヶ月を過ぎて赤くなければ可能です。
なお炭酸ガスレーザーを照射する際は局所麻酔を行います。
それでは、実際に炭酸ガスレーザーを使用して黒子を取ります。
左の頬に直径3mm大のホクロがあります。
拡大した写真を見て下さい。
少し茶色くなって若干凹んでいます。
これが炭酸ガスレーザー治療直後の状態です。
もちろんホクロだけを蒸散(削るイメージ)しているので、
周辺正常組織へのダメージはなく出血もしていません。
軟膏(抗生剤入り/ステロイド入り軟膏)を塗布し、
創傷被覆材(カラヤヘッシブ)(*3)を貼付して終了です。
(*3) 創傷被覆材は、ホクロが大きな場合に使用します。
炭酸ガスレーザー治療後の経過ですが、
皮膚が再生されるまでの間は、
生体の絆創膏である痂皮(カサブタ)ができます。
その痂皮(カサブタ)は、下で上皮化が完了すれば自然に脱落します。
時々、痂皮(カサブタ)を取る方がいますが、
無理に取ると上皮化が遅れ、その部分は凹むので取ってはいけません。
痂皮(カサブタ)が取れれば、日焼けを予防します。
今回、ホクロの炭酸ガスレーザー治療直後の状態をお見せしました。
皮膚の浅い部分に存在するホクロであれば、
炭酸ガスレーザーをあてれば、
少ない回数でホクロは取り除くことができますが、
皮膚の深い部分に存在する黒子であれば、
取り除くまでに複数回かかります。
しかしそれは治療後に凹むリスクを減らすための手段です。
丸山成一
※before & afterの画像についてのご注意
写真はあくまで参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。
※リスク・副作用・合併症
内出血、発赤、炎症性色素沈着、色素脱出、再発、水疱形成、火傷(傷の肥厚・陥凹、ケロイド形成)、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。