加齢による眼瞼下垂の治療①
人は歳をとると、
身体のあちこちの皮膚が、
重力に負けてしまい垂れ下がってきます。
そうです・・・
ほほやアゴ、二の腕などなど、
様々な部位にたるみが生じるわけです。
もちろん目の皮膚も同じです。
今回は目の上の皮膚にスポットを当て、
加齢により目の上の皮膚が垂れ下がる眼瞼下垂について説明します。
症例は78歳女性です。
“まぶたが重くなり、目を一生懸命開けようとするが開かない。”
そして、 “とにかく目を簡単に開けれるようにしてほしい。”
・・・ということでした。
このような場合、
患者様を診察して目の上の状態を把握しないといけません。
つまり、
まぶたの“開かない状態”が、
①目を上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の動きが弱くなっている
②筋肉は大丈夫だが、目の上の皮膚がたるみによって下がってしまっている
主にこの2つのどちらかなので、それを見極める必要があります。
どちらの場合も、
おでこの筋肉を使って目を開けようとします。
では見極めのためにはまず・・・
目の上の解剖も知っておく必要があります。
下の写真とイラストをご覧下さい。
目の上の皮膚の解剖横断面です。
目の上の皮膚と、目を上げる上眼瞼挙筋とが離れた位置にあり、
目を上げる角度が異なっています。
①が原因の場合はその上眼瞼挙筋を縫い縮める手術を行い、
少ない力で目を上げられるように手助けします。
②が原因の場合は皮膚を切除するだけで、
目が開けられるようになります。
今回の症例ですが、
目を上げる筋肉は正常に働いており、②が原因でした。
では、②の場合どういう手術を行のか!?
下のイラストをご覧下さい。
目の上の皮膚は上に行くほど分厚くなります。
そのためまぶたの皮膚をイラストのように取ると、
上のシェーマのように薄い皮膚と厚い皮膚が縫われことになります。
従って、良かれと思い“目をたくさん上げてあげよう”と思い、
皮膚を取りすぎると不自然になります。
内容が多くなるので今回はここまでとし、
次回は実際の手術後の経過等をお見せします。
さて・・・今回の症例、、、
自然で年相応の上まぶたになったのでしょうか?
もう少しお待ち下さい。
丸山成一