顔の傷跡修正
今回は顔についた傷跡の修正のお話です。
患者様は
昔怪我をして、顔(ほほ)に長さ約3cmの傷が残った方です。
矢印の部分が傷跡ですね。
「先生、当時はあまり気にもならず、何十年も放置していました。
でもね。先生!最近、笑うとほうれい線が深くでて、
更にその横の傷も引きつれて、余計に目立つのよ。。。」
なるほど!確かに目立ちますね。
傷の状態ですが、
白く、少し凹んでいます。
あまり引きつれ(瘢痕拘縮)はなさそうですし、
傷跡も顔のしわに沿って認めますので、
Z形成術(*)やW形成術(**)などは必要なさそうですね。
(*)、(**)詳しくは>>>こちら
では・・・このような場合はどうすればいいのか?
もちろん傷跡を修正するわけですから、
現状より綺麗にしないといけません。
施術前のデザインです。
傷跡に沿ってデザインします。
出来るだけ正常皮膚は取らず、
凹んでいる部分だけを切り取るデザインですね。
単純に切開、縫合すると、
最初は綺麗でも、同じように凹んだ傷になりますので、
メスの角度(*)などに注意を払い、
*形成外科医は創面に対して、垂直あるいはV字にメスは入れません。
凹んだ傷跡(瘢痕)を切除します。
更にその後の縫合にも注意を払います。
我々は特に真皮縫合(しんぴほうごう)という縫合を多用します。
前後に糸を運び、しっかり結びます。
結んだ後のイメージは
糸はイラストのように、
真皮および脂肪組織にかかっています。
この上に更に表皮を縫合し完了です。
傷跡修正の手術は終了ですが、
ここからの経過もとっても大切です。
傷というものは数ヶ月かけてゆっくり改善していきます。
最初は赤く、盛り上がる傷もあります。
次第に平坦になり、色は薄い茶色に変わっていきます。
そして、徐々に白くなっていくのです。
下の写真ですが、とても綺麗になっています。
笑っても、凹みもなく自然な感じに仕上がっていますね。
では施術前と施術後を比較してみましょう。
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綺麗になりました。
傷跡修正・・・
ついた傷がなくなるわけではないですが、
いかに目立たなくするかがポイントです。
そのために形成外科医は様々な工夫を行っています。
丸山成一
※before &afterの画像についてのご注意
写真はあくまで参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。
※リスク・副作用・合併症
■縫合による傷跡修正
内出血、腫脹、傷のし開(しかい;傷が開く)、糸が出てくる(埋没縫合した糸がでてくることがある)、縫合糸膿瘍、テープ(傷の安静をはかるためのテープ固定)かぶれ、傷が長くなる、ドッグイヤー(傷跡の両端が盛り上がる)、傷の肥厚・陥凹、修正前より目立つ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。