鼻先を下に向ける〜鼻尖形成・耳介軟骨移植術〜 | ヒルズ美容ステーション

鼻先を下に向ける〜鼻尖形成・耳介軟骨移植術〜

今回は鼻の施術(鼻尖形成)についての説明します。

 

症例は正面からみて鼻の穴が見えすぎるのがコンプレックスのために、

 

 

 

「鼻先を下に下げて鼻の穴を見えにくくして欲しい」ということでした。

 

鼻柱基部が両鼻翼(小鼻)基部の付け根よりも上にあります。

 

従って鼻尖部を下方に移動する、あるいは鼻柱を下げるかなどで対応しますが、

 

今回は、鼻先を下げるために、鼻翼軟骨に手を加えることと、

 

耳介軟骨を先端部に移植することにしました。

 

その前に鼻の解剖を整理しておきましょう。

 

 

鼻は1つの骨と、3つの軟骨から構成されています。

 

鼻骨、外側鼻軟骨、鼻中隔軟骨そして鼻翼軟骨です。

 

鼻翼軟骨は鼻翼に向かう外側脚と、鼻尖を形成する内側脚に分けられます。

 

鼻尖形成はこの鼻翼軟骨外側脚自体に手を加える、

 

あるいは鼻翼軟骨上に耳介軟骨あるいは肋軟骨を移植します。

 

症例によっては両方を組み合わせて行う場合もあります。

 

では耳介軟骨を移植する場合で説明しますが、

 

鼻先をどの方向にのばしたいかで移植する部位が異なります。

 

 

鼻先を前に出す(アップノーズ気味)なら前方へ移植、

 

鼻先を下に向けるなら前下方に移植します。

 

 

上の写真は別の症例で耳介軟骨を移植しているイメージです。

 

移植することで鼻先がかわりますよね。

 

そこでもう一度今回の症例に戻りますが、

 

“正面からみて、鼻の穴が見えすぎている”ので、

 

鼻先を下に向けるように移植します。

 

また、あわせて鼻尖部鼻翼軟骨の内側脚の尾側を縫合すろことで、

 

鼻先を下にむける補助をします。

 

やり過ぎは正面から見てピンチノーズ、

 

側面からみてパロットノーズやポリービーク変形になるので注意が必要です。

 

 

それでは症例をご覧下さい。

 

手術は局所麻酔で行います。

 

理由は患者さんが術中の鼻の形態を確認できるためです。


  

向かって左の術前写真では、正面からみると鼻の穴がハッキリと見えています。

  

 

側面をみるとさらによくわかりますが、

 

矢印の部分(鼻尖〜鼻柱部)が直線になっています。

 

このため鼻の穴が正面からみて、丸見えになるわけです。

 

 

手術はIF切開(鼻の中からアプローチ)から鼻翼軟骨膜上を丁寧に剥離します。

 

一部軟骨膜上についた脂肪を除去し、

 

鼻翼軟骨内側脚の尾側部分を縫合し、

 

鼻先を若干下にむけるように調整します。

 

耳甲介部分から採取した耳介軟骨を加工し、2段のピラミッドを作りました。

 

そしてプランニングどおり移植します。

 

正面、側面ともに鼻尖部の形態がハッキリしました。

 

 

鼻の整形、

 

特に鼻尖形成・耳介軟骨移植は、

 

センスが問われますし、

 

微調整がとても難しい手術です。

 

          丸山成一

 

※before &afterの画像についてのご注意

写真はあくまで参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。

 

※リスク・副作用・合併症

内出血、腫脹、感染、鼻先が硬くなる、軟骨の吸収、軟骨の位置異常(ずれ)、鼻尖部の形態異常、

鼻孔の変形、鼻尖と鼻翼の間の溝の形成、

瘢痕形成(オープン法の場合は、鼻柱に傷跡が残る可能性があります)、

自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。

また軟骨採取部は耳介後面の傷、耳介の感覚鈍磨、疼痛、外耳道の変形などが考えられます。