楽しい時間を過ごしていると
ふと
この人達と出逢えて、本当に良かった
と思う瞬間がある。
それぞれ違った場所で
それぞれ違った時間に
この世に生を授かって
それぞれが違う人生を歩み
それぞれが違う考えを持ち
それぞれが違う喜びや悲しみを経験してきたのに
「今」という一点で互いに交錯している。
この事実と向き合ったとき
気が遠くなるような奇跡が今まさに起きていることに
何とも言えない不思議な感覚に襲われる。
そして
この奇跡を共有している人達が
妙に愛おしくなって
大好きになって
自分にとって大切な存在になっていることに気付いたとき
その人達の向こう側に広がる世界までもが
愛しくなってくる。
その人達を育て上げた両親
兄弟や親戚やいとこ
友達や学校の先生
生まれ育った土地や環境
その人達が経てきたもの全て
それらがあったからこそ
その人達がここに居て
今、こうして楽しい時間が過ごせている。
人を愛せば愛する程
私が今暮らしている
この「郷土(クニ)」があらわれてくる。
心の底からふつふつと沸き上がるのは
それら全てに対する
「感謝」という
ありがたい気持ち。
これこそが
「アイデンティティ」の根底。
これらを守る為に人は
時として戦い
血を流し
涙を浮かべる。
「私が私である理由」
私が私として一人で立つためには
私以外の人達が必要である。
それに気付くことが出来たなら・・・
それをちゃんと理解出来たなら・・・
何かの偶然でうまれた私のこの命
愛すべき人達の為に捧げることだって
厭わなく思う。