『触覚過敏』で困った思い出は、
 
服の襟に付いているタグがどうにもチクチクして、しまいに背中全体がむず痒くてたまらず
 
子どもの頃はハサミでタグを切っていた。
 
真一文字に切ると角の部分が気になるので、丸くカーブをつけたりまでした。
真新しい服の生地が皮膚に馴染むまで時間がかかるので、
一旦馴染むと同じ服ばかり着回す。
 
結果、
祖母には『くたびれきったこの服しか無いと思われるじゃない!』と、叱られる。
 
祖母は編み物が好きで、ことある事に手編みのセーターやカーディガンを編んでくれたが、
 
ウールのチクチクが首などに当たり、そこに汗をかくとすぐに真っ赤になる。
洗濯して若干縮むと、締め付け感に息苦しくてたまらない。
 
それでも、『祖母が作ってくれたものをむげには出来ず(*_*;』我慢して着ていた。
 
 
靴に関しては、踵の骨が出っ張っているので足に馴染むまで靴擦れは毎度のこと。
 
祖母はわたしを着飾らせてよくデパートへ連れて行ったが、フリルやレースはチクチクの塊だし、人形が履いてるようなエナメルの靴は見た目は可愛いけれど素材が硬く、歩いているうちに靴擦れが悪化して血だらけになっていたこともたびたびあった。
 
そんな必死の仮装(?)をしても、
外出先で店員さんに「ボク~」と、よく話しかけられる。「ボクじゃないよ」と否定しながらも、やっぱり似合わないのになんでこんな格好をしなきゃならないのか……と、うんざりしていた。
 
その他のエピソードでは、
外で裸足になるのが大嫌いで、海辺の砂浜や公園の砂場で裸足にさせられると不快感に泣いていた。
「泥んこが嫌いだなんて神経質過ぎる」と親戚によく言われものだ。
 
脇や背中、首筋などをくすぐられる真似をされただけでもザワザワとおぞけが走り、
 
注射やぶたれる真似をされただけでも疑似体験の痛みに大泣きするのに、実際怪我をした時の痛みには鈍かったりもする。
 
『このくらいなら、がまんできる』と思って黙ってしまう。
 
恐る恐る触られると鳥肌ものなので、しっかりポンと触ってもらった方がかえって抵抗は無かった。
 
抱きつかれたり抱っこされるのは逃げ出したくなる程なのに、自分から抱きしめるのは嫌では無い。
 
人と手を繋ぐ時は基本緊張するので手汗がものすごくなったりして、小学校では苦労した。
 
何かをやろうとプレッシャーがかかると手汗でビシャビシャになり、鉄棒や登り棒ではツルツル滑って掴まるのを維持出来ない。
 
後に家庭科の授業で裁縫を教えてもらった時は、針が軒並み汗の塩分で錆びてしまったりもした。
 
こうして羅列してみると、『触覚過敏』も自分の中で矛盾を抱えてるなぁ……と、しみじみする(^_^;)
 
 
 
 




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