『味覚』や『触覚』過敏は大人になるにつれかなり落ち着いて楽になってきましたが、
 
『視覚』『嗅覚』『聴覚』は、大人になっても悩みの種です。
 
家の中はともかく、外の情報量の凄さったら………( ・_・;)
 
幼児の頃祖母と一緒に外出すると、とにかくしんどい思いをした。
 
手をつないで駅まで行くのにも、とにかく早歩きだし歩幅も大きい。
ほとんど小走りで引きずられるように歩いていきながら、視界に映る光景は、
 
太陽の光で周囲真っ白。
 
まぶしくて目を細めて足元を見ながら歩いても、よくアスファルトの様子がわからず、しょっちゅうつまづいて転んでた。けれど、静かな裏道ならまだ良かった。
 
車の行き交う大通りは、白い視界の中、時折車の影がシュンシュン現れるし、
車道の賑やかさが耳に飛び込んできて、祖母に話しかけられてもまったく頭に入らない。
排気ガスの臭いや、当時は歩きタバコも普通にしている人が多かったから、吸い殻の臭いも混ざってひどい気分になった。
 
最寄りの地下鉄で移動するのだが、
 
生暖かい風の吹き抜ける地下鉄のホームは、下水道の臭いが鼻を突き、電車が入って来れば轟音が反響し耳を押さえてもどうにもならない。視界にチラチラと砂嵐のようなノイズが混じる。
 
疲労困憊で地下鉄を乗り継いで目的地の日本橋に到着しても、
 
そこにはデパートという難解なダンジョンが待っている。
 
煌びやかな照明に照らされた色とりどりな商品がチカチカと視界をよぎる。
大勢の人々の着る服の色の洪水。体臭と混じり合った様々な香水の臭い。
店内のバックミュージックと、館内放送、人々のざわめきが同じ音量でいっぺんに耳へ飛び込んでくる。
 
小さなわたしが見上げても、大人の顔は遥か上で伺い知れない。人々の腰から下が丁度顔の正面なので、腕を引かれながら人混みを縫って歩くのは壁が迫ってくるような圧迫感だ。
 
人混みから少し離れた所で手を放され、
 
「ここで待ってなさい。迷子になるから動くんじゃないよ」
 
と、言い含められ
 
服のセールのワゴンの人集りに嬉々として飛び込んでいく祖母を見送りながら、ベンチに腰を下ろし貧血を起こしたように気持ちが悪くなるのは毎度のこと。
 
なんでこんなに服を選ぶのにあちこち引っ張りまわされなきゃならないのか。
人酔いでぐったりしながら付き合っても、わたしの行ってみたいオモチャ売り場にはめったに連れて行ってもらえない。
 
デパートのランチに連れて行ってもらえても、頼んだ食事は半分も食べられない。
 
お腹がいっぱいになった状態で地下食品コーナーに連れてかれ、様々な食べ物の匂いが混ざり合った空間に、
 
「早く帰りたい……!」と、半泣きで訴えてようやくフラフラの状態で帰路に向かえたりした。
 
祖母が隣の曾祖母の家で親戚達と話している会話で
 
「どうして子どもなのに、デパートに買い物に行くのが嫌いなんだろね。可愛い格好させても喜ばない。洋服だって買ってあげようと言ってるのに、オシャレに興味無いのか嬉しそうな顔をしない。
デパートのランチもつまらなそうに少ししか食べずに残してばかり。『早く帰ろう』ってそればっかりだからたいしてお惣菜も買って帰れなかったし………変わった子どもだよ(-.-;)」
 
と、こぼしていたが
 
わたしの当時の内情は、こんな状態だった。幼児に説明なんて、出来ようはずも無い(*_*;。
 
 
 
ここで、動画のご紹介☆
 
海外のタイラン・カイというチームが作った『感覚過敏シミュレーション』の動画です。感覚過敏を体験出来るという目的で作られたそうです。
 
 
 
こちらも海外の動画で、『普通の散歩』。
感覚過敏の《無い人》と《ある人》の違いを映像化してます。
 
一番、わたしの幼い頃に見てきた光景そっくりです。
 
上記以外にも、『自閉症感覚』の動画がたくさん制作されていますので、知っていただけたら嬉しいですm(_ _)m
 
こんな世界の見え方もあるんです(^-^)
 
 
 
 
 
 



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