線路と道路
先日のことですが、休日を使って南阿蘇鉄道とJR日田彦山線BRTに乗車してきました。
この2つの路線は、災害により一部区間が不通となっていたという共通点があり、南阿蘇鉄道は平成28年4月の熊本地震によるもので、JR日田彦山線は平成29年7月に発生した九州北部豪雨による影響で、両路線とも被害が甚大な一部区間は5年以上もの間不通となっていました。
先ずは、早朝の肥後大津駅から南阿蘇鉄道線に直通する高森行きの列車に乗車し、早速出発。
南阿蘇鉄道は今年の7月に全線復旧しましたが、それに伴い南阿蘇鉄道の朝の2往復がJR豊肥本線の肥後大津駅まで乗り入れを行うようになりました。
スイッチバックでおなじみの立野駅を出発すると、いよいよ南阿蘇鉄道の区間へと入っていきます。
立野駅を出発すると直ぐに渡るのがこの第一白川橋梁です。
この第一白川橋梁は、川からレール面までの高さは何と60mもあります。
高所恐怖症の方にはちょっと怖いかも。
白川を渡ると列車は早朝の阿蘇山を望みながら高森駅へ向けて走っていきます。
こちらは終点の高森駅のひとつ手前の見晴台駅。
ログハウス調のかわいい駅です。
以前「午後の紅茶」のCMのロケ地にもなりました。
その縁もあって駅には午後の紅茶の自販機が設置されるようになったんだとか。
そうこうしていると終点の高森駅に到着です。
高森駅も今年の4月下旬に3代目の新駅舎となりました。
高森駅では、アニメ「ワンピース」のラッピングが施されたサニー号トレインが留置されてました。
ホームの傍らには、ONE PIECE 熊本復興プロジェクトの「フランキー」の銅像がみなさんをお出迎えしてくれます。
朝の阿蘇の大自然を楽しんだ後は、大分県の日田市へ移動します。
大分県の日田市は、アニメ「進撃の巨人」の諌山創さんの出身地ということで、日田駅ではアニメ「進撃の巨人」の「リヴァイ兵長」が観光客をお出迎えしてくれます。
リヴァイ兵長の銅像のすぐそばに日田彦山線BRT乗り場があります。
BRTとは「Bus Rapid Transit」の略でバスを基盤とした都市大量輸送システムという意味なんだそうです。
このJR日田彦山線は、大分県日田市から英彦山の麓を通り福岡県の筑豊地区である田川市、香春町を通り北九州市へと通じる路線です。
昔は筑豊の炭田を北九州の製鉄所へ輸送する役目を担う路線でした。
平成29年の北部九州豪雨により、筑豊地区と日田地区の区間は甚大な被害を受け不通となりました。
鉄道による復旧も検討されましたが、沿線自治体がBRTによる復旧を容認する形となり、今年の8月にバスによる復旧を果たしました。
このBRTの復旧区間は「日田彦山線BRTひこぼしLINE」という名称がつけられました。
BRT区間の一部にはJR日田彦山線の線路跡をバス専用道に整備している区間があり、そこから見える棚田の景色はとても綺麗です。
こちらはめがね橋である栗木野橋梁です(写真は別日撮影)。
以前は日田彦山線の列車が走ってましたが、現在はバスが走ります。
栗木野橋を渡り、長いトンネルを抜け、英彦山の麓を抜けると添田駅に到着です。
添田駅はバス(BRT)と列車が同一ホームで乗り換えが可能な造りとなっていて面白かったです。
今回は災害から復活した異なる二つのローカル線を旅しました。
どちらも自然が豊かで時間が経つのを忘れさせてくれる素敵な区間でした。
マイカーが当たり前なご時世ですが、たまにはこうやってローカル線を乗り継いでボーっと車窓から流れる景色を楽しむ旅もいいなと改めて思いました。