「あついぞ、熊谷」
このセリフが相応しい季節がやってきました。
昨日今日の暑さは半端ではありませんでしたね
外に出た途端、猛暑に襲われ、倒れそうになります
そんな時だからこそと、スタッフと一緒にかき氷を食べに行ってきました。
熊谷の方はご存知の雪くまです。
妻沼の聖天様の境内にある騎﨑屋さんにお邪魔しました。
冷た~いかき氷を食べている間は暑さを忘れました
騎﨑屋さん:いちごミルク(奥)、抹茶あずきミルク(手前)
あか石さん:アボガドマンゴー
ふわふわの氷とシロップが美味しかったです
さて、今回は『失神』についてお話をしたいと思います。
『失神』もしくは『倒れる』と言った現象は、循環器の診療を行っていると
必ず遭遇します。
ですが、その失神、本当に心臓のせいでしょうか?
失神とは?
そもそも失神って何でしょうか?
失神とは一時的な意識消失発作の結果、姿勢が維持できなくなり、
その後自然に意識の完全な回復がみられること、と定義されています。
つまり、意識を失って倒れてから再び意識が戻る事を失神と呼びます。
失神の原因
失神を起こす原因は多々あり、代表的なものをご紹介します。
心臓性
【不整脈】
徐脈性:脈が遅すぎて、一時的な心停止を起こし、失神する。
頻脈性:脈が速すぎて、心臓からの血液の供給が低下し、失神する。
【弁膜症】
血液が逆流を起こすことにより、全身循環する血液が減少し、
脳の血流も減少するため、失神する。
【心筋症】
脈が速すぎたり、心臓からの血液供給が低下したりして失神する。
【狭窄症】
血液の通路の一部が極端に狭くなり、十分な血液が通過しなくなる。
結果的に血液の供給が低下し、失神する。
【肺高血圧症】
肺血管が様々な原因で細くなり、心臓→肺への血流が低下する。
肺→心臓への血流も低下するため、結果的に血液供給が減少する。
神経調節性失神症候群
神経の反射によるもので、血管拡張による血圧の低下、
心拍の減少(徐脈)もしくは心停止などによって失神します
転倒による外傷を除けば、命への別状はほぼ無いとされています。
病状によって、以下の3つに分類されます。
【心抑制型】 一時的な心拍数の減少(徐脈)により失神する。
【血管抑制型】 徐脈を伴わず、一時的な血圧低下で失神する。
【混合型】 徐脈と血圧低下の両方が起こって失神する。
人では肉体的もしくは精神的ストレス、その他の環境要因が原因となり、
自律神経系の調節機能が変化することで発症するとされています。
咳や物を飲み込む仕草、排便排尿、起立の動作などが
引き金となって起こることもあります。
動物の場合、原因を問い質す事はできないので、
飼い主様からの情報が最大の手掛かりです。
神経疾患
心臓性では無くても倒れる疾患は沢山あり、
その代表が脳神経系の病気です。
失神と言うより、けいれんを特徴とした発作が起こります。
口から泡を吹く、尿失禁、首が反り返る、手足を激しくバタつかせる、
などの徴候が出現します。
【てんかん】
【脳腫瘍】
【脳炎】
【水頭症】
代謝性疾患、その他の失神
心臓性、神経性以外にも失神を起こす原因は存在します。
【低血糖、高血糖】
【低カルシウム】
【高アンモニア血症】
【大量出血】
【下痢・嘔吐】
【薬剤の副作用】
診断の手順
上記の病気について、一番初めに見極めなければいけないのは、
の病気です。
飼い主様からの稟告、視診、聴診、血液検査、レントゲン検査、
腹部エコー検査など、健康診断の様な検査で発見できる病気です。
私の場合、上記の病気が無ければ、心臓のチェックを行い、
それもクリアできれば、神経系の検査に進みます。
の疑いについては、病状を聞いた上で、ホルター心電図と呼ばれる、
24時間体制で記録する心電図を用いて診断を行います。
治 療
確定診断を下した後、それぞれの病気に合わせて
最適な治療プランを組み立てます。
今回は残念ながら割愛します。
これを書いたら、さらにだらだらと長くなってしまいそうなので…。
機会があれば詳述したいと思います。
この病気について深く知りたい…と言うご希望のある方は、
メッセージなどでリクエストをして頂けると嬉しいです。
上記について、ご不明な点やご相談などございましたら、
遠慮なく当院までご連絡下さい。
さいたま博通り動物病院
〒360-0015
埼玉県熊谷市肥塚1-6-35
電話:048-577-3774
URL:http://www.saitamahaku-vc.com/
【診療時間】
月~木、土; 9:00-12:00、16:00-19:00
日; 9:00-12:00
休診日:金曜、祝日