2/10

老婆婆に 五時に起こされ 花御膳

モグラかな 顔は違うな 蕗の薹

アルバムを 引き出し想う 子らの春

 

2/11

春眠 暁どころか 野良騒ぎ

浅き夢 淡き恋する 白い朝

亡き友と 丹頂鶴を 見た旅路

 

2/12

結納の 真似事をして 春を呼ぶ

ひな人形 窓越しに映え 城下町

チョコよりも 密かに狙う 宝くじ

 

2/13

暖かな 日もあり上げる 障子かな

八咫烏 熊野を想い 待ち画面

上にぎり 極みと言うて 祝う春

 

2/14

別れ道 酒に飲まれて 山笑う

禿キッス バレンタインの 思い出に

爺さんに バレンタインの 贈り物

 

2/15

橋下の 水辺を上る モロコの子

税務署に 申告しても 怖い顔

剪定の 時期を観察 志摩の人

 

2/16

窓際に ひとりスタバで なごり雪

夢を追う 気持ちは若い 春と禿

街通り 遠くに輝く 白き山

 

2/17

百姓で 申告会場 大騒ぎ

木枯しに 抱かれて君の わかれ道

志摩チューブ スペイン村に 春一番

 

2/18

脱毛剤 続ける君に 春は来る

仏壇に 八朔供え 礼を待つ

ペーパーレス キャッシュレスと 進む春

 

2/19

沖に出て 終えて少女の 風光る

しずかなり 写生する子や 春の河

春風の いたずらに泣く 蒼い時

 

2/20

摘み取った 押し花で描く 野々畑

すれちがふ 人知らずして 雀の子

掲示板 揺れる想いも 春一番

 

2/21

春なのに ため息ばかり 帰り道

春色の 汽車が走った 上野まち

人として 天命語る 春の宵

 

2/22

初夢に 福女が現われ 肩流す

寒くても 案山子がひとり  笑ってる

 

2/23

病床の 御膳が賑わう ひな祭り

早春の 霧立ち包む よろい岳

 

2/24

静かなる 晴れた日に咲く 福寿草

お日様に 笑顔を魅せる 福寿草

 

2/25

似顔絵に 想いを込めて 卒園児

福寿草 晴れた乙女に 花開く

 

2/26

浅き夢 曙に見る 憂い事

夜梅や 浮かび賑わう 水戸の街

 

2/27

事故に遭い 生きて返った 春の朝

後ろ髪 なびかすように ユキヤナギ

ユキヤナギ 愛らしさゆえ 垂れ姿

 

2/28

晴天に 映える梅撮る 老夫婦

丈低い 若い梅の木 仲間入り

如月の 日々は尊く 暮れてゆく

 

3/1

初節句 仕丁のように 笑い泣き

窓越しに 雛を飾りし 和む道

雛が舞う 古き姿に 魅了され

 

3/2

ウグイスが 親鳥真似て 大合唱

まだ浅き ウグイスの声 ホォーホー

父親も 閉校式に 想い馳せ

 

3/3

また合う 時が来るまで お姫様

坊ちゃんが 官女の方に 見染められ

さまざまな 事想い出す 流し雛

 

3/4

坂道を 登って降りて 梅アイス

ちどり坂 夕暮れ時の 月と梅

渓谷に 出店賑わい 梅まつり

 

3/5

曙に 鶯が鳴く この辺り

お祝いに 器を合す 茶碗蒸し

整地した 土手に顔出す つくしの子

 

3/6

卒業の 光の影と 花のみち

春先の 富士山映える 忍野村

残雪の 忍野八海 澄み渡る

 

3/7

さまざまな 事流されて 春が来る

早咲きの 桜を伝う メジロの子

早咲きの 桜の下で エロ爺

 

3/8

芳しい 梅の香りに 君想ふ

てこ入れた 映える親父の しだれ梅

垂れ下がる 梅の向こうに 君がいる

 

 

第34回おーいお茶新俳句大賞 2023/2/27 6句応募完了

審査結果は10月下旬(予定)

 

第34回おーいお茶新俳句フォト大賞 2023/2/28 ツイッター投句

(第三回)発表:2023年3月28日(火)