整備士訓練生の勉強部屋

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航空整備の訓練中です。飛行機、ライセンスに関することをつぶやいてます。

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ニュースでも報じられているように、またしても事故が起きてしまった。MH370 KUL発PEK行 乗客227人、乗員12人(乗員:2人 CA:10人)を乗せたB777-200ER(9M-MRO)がベトナムのフーコック島南153マイルのタイ湾に墜落しました。
午前中の段階ではLOSTの状況でしたが午後になってベトナム海軍がELT(Emergency Locator Transmitter)のシグナルを傍受したとの情報が入りました。

今朝早くに、友人がメールで「MH370がおかしい」と知らせて来たのですが、全くニュースで流れず誤報かと思っていましたが残念なことになりました。
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そもそも、KUL~PEKのようなルートでLOSTした時点でかなり望みが薄かったのです。地図を広げれば分かりますが、殆ど陸地です。地上にある
ARSR (Air Route Surveillance Radar:航空路監視レーダー)やORSR (Oceanic Route Surveillance Radar:洋上航空路監視レーダー)で何重にも見守られていて、映らない=絶望なのです。
既に現場海域では捜索が始まっているとは思いますが、ラフトで生存していることを祈っています。

不謹慎かもしれませんが、整備のお話をさせていただきます。冒頭に書いたように、飛行機にはELT(Emergency Locator Transmitter)が搭載されています。名前の通り、緊急時に自機位置を発信するための装置です。衝撃や水圧、或いは手動操作で作動します。ELTは航空法で特定救急用具に指定されており12ヶ月に一度検査を行います。ショップの整備士が行っています。以前ELTやスライドを整備する方が、「一度も使うことなく、また工場に戻って来て欲しい。我々の仕事が無駄であってほしい」と仰っていました。整備士の仕事には、飛行機が落ちた後のための仕事もあるのです。私は何の感情も持たずELTの勉強をしていました。航空無線通信士の科目に法規があるのですが、その中身の大部分が遭難通信や緊急通信です。これも普通に勉強していました。
今やっている勉強が人の命、人生に関わっているのだと、強く実感し反省しています。
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ELTです

最後に犠牲者のご冥福を祈ると同時に一人でも多くの方が見つかることを願います。
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