午前中の段階ではLOSTの状況でしたが午後になってベトナム海軍がELT(Emergency Locator Transmitter)のシグナルを傍受したとの情報が入りました。
そもそも、KUL~PEKのようなルートでLOSTした時点でかなり望みが薄かったのです。地図を広げれば分かりますが、殆ど陸地です。地上にある
ARSR (Air Route Surveillance Radar:航空路監視レーダー)やORSR (Oceanic Route Surveillance Radar:洋上航空路監視レーダー)で何重にも見守られていて、映らない=絶望なのです。 |
既に現場海域では捜索が始まっているとは思いますが、ラフトで生存していることを祈っています。
不謹慎かもしれませんが、整備のお話をさせていただきます。冒頭に書いたように、飛行機にはELT(Emergency Locator Transmitter)が搭載されています。名前の通り、緊急時に自機位置を発信するための装置です。衝撃や水圧、或いは手動操作で作動します。ELTは航空法で特定救急用具に指定されており12ヶ月に一度検査を行います。ショップの整備士が行っています。以前ELTやスライドを整備する方が、「一度も使うことなく、また工場に戻って来て欲しい。我々の仕事が無駄であってほしい」と仰っていました。整備士の仕事には、飛行機が落ちた後のための仕事もあるのです。私は何の感情も持たずELTの勉強をしていました。航空無線通信士の科目に法規があるのですが、その中身の大部分が遭難通信や緊急通信です。これも普通に勉強していました。
今やっている勉強が人の命、人生に関わっているのだと、強く実感し反省しています。