『時計の学校』ブログ -4ページ目

『時計の学校』ブログ

専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチコースの講師が綴る、学校の日常です。

大阪校WMコースでは、ブライトリング・ジャパンの林 繁様をお招きし、特別セミナーを開催しました。

本校の卒業生でもある林様は、ブライトリングのスイス本社から世界で12人のみが認定されている技術トレーナーの1人として修理だけでなく技術者育成の面においても最前線の現場で働かれています。

 

1年生を対象としたこのセミナーでは、ブライトリングで扱っている時計の話、クロノグラフ機構の話、社会で働くことの話をしていただきました。

 

時計修理の基礎を学んでいる1年生にとって、クロノグラフ機構は興味深く、話を聞く顔は、真剣そのもの。

 

さらに、この日のセミナーのためにブライトリングの自社製クロノグラフ・キャリバーである「Cal.01」を学生全員分ご準備いただきました。

クロノグラフ機構といえば、複雑機構。その構造をモニターを用いて分かりやすくご説明いただきながら、学生たちも実際にムーブメントを分解

 

初めて触るクロノグラフ! そして現行のブライトリング製品と同じ装飾のされたムーブメントを手掛けることに学生は緊張の連続といった様子でした。

 

技術セミナーの後には、社会で働くために学生時代からできること、就職するまで気持ちの準備など、来春に就職活動をひかえる1年生にとって心に響くお話をしていただきました。

 

製品の話、技術的な話、社会人になるにあたっての心構えなど、とても内容の濃いセミナーとなりました。

 

ブライトリング・ジャパン 林 様、貴重な時間をありがとうございました。

 

11月2日から11月5日まで、沖縄県で第56回 技能五輪全国大会が開催されました。

技能五輪の「時計修理」職種は、1987年からしばらく途絶えていましたが、2014年に復活し、今回で5回目の実施となります。

第56回 技能五輪全国大会には、ウォッチメーカーマスターコース2年生の清水 虎太郎君と福田 陽介君の2人が東京選手団の選手として参加しました。

技能五輪全国大会の開会式の前に、試験会場に選手が集まり作業場所の抽選と試験で使用する工具類を準備します。

工具のセッティングは、翌日の作業の出来を左右する非常に重要な作業です。

1時間半程で、セッティングも無事に終了。清水君も準備が終わってほっと一息。

準備の後に競技委員より競技説明と注意事項説明があり、その後、競技に参加する選手は集まって昼食。選手は、合同練習や模擬試験等で顔を会わせているので、みんな非常に仲が良く、昼食も楽しかった様子でした。

昼食の後は、いよいよ開会式。

開会式会場は、那覇市にある奥武山公園陸上競技場。

屋外だったので、天候が心配でしたが曇天ながら、雨も降らず予定通り式典が実施されました。

琉球空手の演武や太鼓を打ち鳴らす伝統芸能「エイサー」など、沖縄らしい演出で非常に盛り上がった開会式でした。

技能五輪競技1日目は朝の8時半に集合し、競技の準備をしたのち、9時15分から競技が開始。

1日目は課題1と課題2の作業を行います。課題1は、クオーツ式のクロノグラフの時計の不具合修正と巻真交換を行います。

課題は提出時間が決まっており、クオーツクロノグラフは、3時間以内に提出しなければなりません。

不具合箇所を発見し、それを用紙に記入して修正を行います。非常に細かい作業になるため、顕微鏡は欠かせません。

課題2は、機械式時計の不具合修正と精度調整を行います。

第2課題の作業では、バラバラのテンプ部品を支給され、ヒゲゼンマイの長さを調整、天輪のバランスを取り

定められた要求精度に調整しなかればなりません。もちろん第2課題も提出時間があり、作業は時間との戦いになります。

清水君・福田君共に、何とか提出締め切り時間前に課題を提出することができました。

競技2日目は、第3課題・第4課題を行います。

課題3はその日の朝に発表された寸法を基に、ヤスリを使用して巻真という部品を製作します。課題3・課題4を合わせた提出時間が2時間半と短いため、かなりのスピードで仕上げていかなければなりません。

課題4は腕時計用のブレスの駒を仕上げます。

ブレスの駒の鏡面部分をヘアラインにし、ヘアライン部分を鏡面に仕上げていきます。

鏡面仕上げでは、ハンドリューターを使用します。

競技2日目も、作業打ち切り時間前に提出することができました。

全ての作業が終了したところで、参加証を持って記念撮影。

今回、企業から選手として参加していた卒業生の伊藤さんにも入ってもらいました。

2日間本当にお疲れ様でした!

次の日は、開会式と同じく奥武山公園陸上競技場で華々しく閉会式が実施されました。

残念ながら2人とも入賞はなりませんでしたが、初めての五輪競技を体験して次回愛知県で実施される第57回 技能五輪に向けて、清水君・福田君共に新たな決意を持った様子でした。

 

 

 

 

10月下旬、ウォッチメーカーマスターコースの2年生の3クラスが銀座にある「ニコラス・G・ハイエックセンター」内にあるスウォッチグループジャパンのカスタマーサービスを見学させていただきました。

 

スウォッチグループは、超高級時計「ブレゲ」 「ブランパン」 「グラスヒュッテ・オリジナル」。人気ブランドである「オメガ」 「ロンジン」など、12の時計ブランドとムーブメントやヒゲゼンマイなどの時計部品を製造する会社も傘下に収めるスイスを代表するグループ企業です。

 

 

初めにミーティングルームで見学を担当していただいた浅葉様より、グループブランド・企業紹介をしていただいた後、スウォッチグループジャパンに勤務している卒業生の先輩方との質疑応答のお時間をいただききました。

 

 

卒業生との交流の後は、カスタマーサービスの見学です。

受付カウンター・見積もり・内装修理・外装研磨・洗浄・検品・梱包まで、全ての部署を見学させていただきました!

スウォッチグループジャパンのカスタマーサービスがあるニコラス・G・ハイエックセンターは、地下2階、地上14階建てビルで、著名な建築家 坂 茂氏の設計です。

オメガのカスターマーサービスの受付はアトリウムになっており、広々とした空間でお客様がくつろげるようになっています。

 

 

受付カウンター・見積もり・内装修理の見学の後に、外装研磨・洗浄のルームを見学。

外装研磨・洗浄を行う「ポリッシングルーム」は、なかなか見ることのできない部門なので、学生たちも興味津々の様子でした。

実際に技術者の方が外装を仕上げていく技術を見ることができ、良い経験となりました。

 

 

スウォッチグループジャパンのカスタマーサービス内の研修ルームも見学させていただきました。

この研修ルームでは、技術者のトレーニングだけでなく、時計の販売などに携わるスタッフの研修も行われるそうです。

作業机や機材など、とても素晴らしく、学生たちも熱心に見学をしてました。

 

 

その後は「ブレゲ」や「ブランパン」などの高級時計の修理を行うサービスルームの見学に。

サービスルームは、時計の修理を行う部門ですので、非常に清潔な環境。

サービスルームの技術者の方々は大変お忙しい中、作業の手を止めて学生たちの質問に優しく答えていただきました。

 

カスタマーサービス内の見学が終了した後は、再びミーティングルームへ移動し、そこで浅葉様から学生に向けて、会社で働く上での心がけ等、重要な事をお話しいただきました。
 

普段、なかなか目にする事が無い修理の現場を見学し、また浅葉様からのお話を聞いて学生は、お客様の時計を修理することの重要性を理解することができたのではないかと思います。

 

スウォッチグループジャパンの皆さま、本当にありがとうございました。

 

 

先日、2018年度のスピード&クオリティコンテストの表彰式をシチズン時計株式会社様の

「シチズンミュージアム」で実施させて頂きました。

スピード&クオリティコンテストは、東京校と大阪校の2年生を対象としてたコンテストで、

シチズン製の自動巻き時計のオーバーホールにかかる時間と品質を競い合うものです。

 

 

試験当日にシチズン時計マニュファクチャリング株式会社様の舩橋様に試験の評価をしていただき、

表彰式では、コンテストの1位から3位までの学生に、奥秋様より表彰状が授与されました。

 

 

今年度の第1位は、東京校ウォッチメーカーコース2年生の高橋 克弥君。

表彰式では、表彰の他に副賞として、時計工具もいただきました。

 

シチズン時計株式会社様、ならびにシチズン時計マニュファクチャリング株式会社様には

ご支援とご協力をいただき、誠にありがとうございました。

 

 

 

大阪校ウォッチメーカーコースでは、東京校の卒業生であり阪急梅田カルティエブティックで技術者として働かれている柏木 翔様にお越しいただき、リシュモンジャパン特別セミナーを開催しました

 

高級時計メーカーとして確固たる地位を誇るカルティエの歴史や現行モデルの特徴を詳しく解説して頂きました。

後半は、ブティックで働く中で得たものやお客様との関わり、社会人としての責任感など卒業年度生には気の引き締まる内容をお話しいただきました。

お話の中では、「見る力」「解る力」「さわる力」「伝える力」という4つのキーワードがあり、柏木様が技術者として積まれた経験から得たものだということを強く感じました。

お客様からお預かりした時計を「見て」状況を診断し、不具合を「理解」、それを「手で触り」直す。

それぞれに、説得力のあるエピソードを聞かせて頂き、現場で働く誇りや大変さ、そして充実感など、興味深い話ばかりでした。

 

そして、「伝える力」。

会社に入って働く上で大切なもの。それが、チームワークでした。

挨拶や返事、伝票に書く文字、遅刻や欠勤が業務に与える大きな影響など、人として社会人としての基本を改めて考えさせられる貴重なお話でした。

卒業年度生にとっては就職に向けての心構えになり、1年生にとってはこれからの学校生活において改善すべき点を見出せたとものと感じています。

柏木様、貴重な時間とお話をありがとうございました。