シチズン時計マニュファクチャリング 工場見学・実習旅行 | 『時計の学校』ブログ

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専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチコースの講師が綴る、学校の日常です。

7月20日・21日の研修旅行では、シチズン時計マニュファクチャリング株式会社様にご協力いただき、長野県佐久市にある「ミヨタ佐久工場」と飯田市にある「飯田殿岡工場」の見学と実習を行いました。



研修旅行1日目に見学した「ミヨタ佐久工場」は、昨年竣工したばかりの新工場。
今まで3工場に分散していた製造ラインを、こちらのミヨタ佐久工場に集約し、約2万㎡のスペースに製造ラインが並ぶ、世界最大級のムーブメント組立工場になる予定です。

工場では、2階部分から製造ライン全体を見ることができました。

ラインに近づく事は出来ませんが、説明パネルや触れることのできるサンプルがあり、非常に参考になりました。




ミヨタ佐久工場の見学後、長野県伊那市にある「登内時計記念博物館」へ。

こちらの博物館では、館長の登内英夫氏が収集した18世紀から19世紀を中心とした機械式置き時計・掛け時計の約300点を見ることができます。




非常に美しい時計が整然と展示されており、学生たちも熱心に見学をしていました。

時計の歴史や仕組を紹介する「ミニシアター」等も併設されており、本当に見応えのある本格的な博物館でした。


研修旅行2日目は、「飯田殿岡工場」でクオーツ時計に使われている水晶振動子のハンダ付け実習と、シチズン時計学校講師の舩橋氏によるクオーツ時計講座、そして超薄型ムーブメント「Eco-Drive One」の製造、組立現場を見学。


また、舩橋氏のクオーツ講座では、クオーツ時計の基本構造から製造にまつわる話などを写真や図を使い非常に分かりやすく説明してくださいました。

 

クオーツ講座の後には、ご用意いただいたMIYOTA2035の回路と水晶振動子を使い、ハンダ付け実習を行いました。

電子回路に水晶振動子をハンダで取り付けて、時計用の回路を完成させます。



ハンダ付けの方法や温度の管理、安全管理の説明を受け、ハンダ付けのスペシャリストである社員の方々のサポートもあり、何とか全員が完成させることができました。


完成した回路を用意していただいた時計に組み込み、精度を測定した後、回路に加工を施して、時計の精度がどのように変化するのか実験。


時計製造工場ならではの実習で、学生たちも非常に集中して作業を行っていました。


実習後には、ラインの近くで見学ができ、担当の方に詳しく説明をして頂きました。

2日間を通したシチズンの工場見学と実習では、舩橋氏をはじめシチズン時計マニュファクチャリングの社員の方々には、大変お世話になりました。


今回の研修旅行で、学生たちのクオーツ時計に対する理解が深まったと感じ、

非常に充実した研修旅行になりました。