僕は自分の椅子をかかえて階段を急いで降りて行った
競技①の大玉送りは全員参加だから
移動のゴチャゴチャに紛れ込めたら
マツジュンは大して気にもとめないだろうと踏んでいた
「速攻いそぐんだ!」
窓の閉まった校舎内はムシムシしていて
椅子を持って階段を下るのは
結構大変だった
二階に着く頃に
僕は汗だくでハァハァいっていた
「もう一段」
気合いを入れたけど
何故か力が入らなかった
暑いはずなのに
体はカエルみたいにつめたく濡れて
空気はゼリーみたいに重たくって
深呼吸しても肺まで入って来なくなった
だんだん手がしびれてきて
仕方なく僕は持って来た椅子に座り込んだ
普通じゃなかった
「僕は死にかけているんだ」
そんな気がした
こんなところで椅子に座って
運動会が終わるまでは誰にも発見されず
唐揚げの弁当も食べられないまんま…
僕は
泣けてきた
椅子に座って校舎の一部になったみたいにじっと動けず
にじんだ廊下を見ていた
ふと足元に気配を感じた
目だけを動かして見ると
一年生くらいのぽっちゃりした女の子が
体育座りで僕を見上げていた
(続く)
競技①の大玉送りは全員参加だから
移動のゴチャゴチャに紛れ込めたら
マツジュンは大して気にもとめないだろうと踏んでいた
「速攻いそぐんだ!」
窓の閉まった校舎内はムシムシしていて
椅子を持って階段を下るのは
結構大変だった
二階に着く頃に
僕は汗だくでハァハァいっていた
「もう一段」
気合いを入れたけど
何故か力が入らなかった
暑いはずなのに
体はカエルみたいにつめたく濡れて
空気はゼリーみたいに重たくって
深呼吸しても肺まで入って来なくなった
だんだん手がしびれてきて
仕方なく僕は持って来た椅子に座り込んだ
普通じゃなかった
「僕は死にかけているんだ」
そんな気がした
こんなところで椅子に座って
運動会が終わるまでは誰にも発見されず
唐揚げの弁当も食べられないまんま…
僕は
泣けてきた
椅子に座って校舎の一部になったみたいにじっと動けず
にじんだ廊下を見ていた
ふと足元に気配を感じた
目だけを動かして見ると
一年生くらいのぽっちゃりした女の子が
体育座りで僕を見上げていた
(続く)