広報で大切なのは「発想の転換」 | マスコミに取材される方法

マスコミに取材される方法

新聞社とTV局に21年。PR会社に1年。その経験でプレスリリースの発信とマスコミ登場をサポートします。

 

企業の広報を指導する時、

大切にしていたのは発想の転換でした。

相手目線、相手の気持ちで考え、

企業の主張ではなく、

相手(マスコミやお客さん)が求める

情報とは何かを考えて「転換(変換)」する。

それが企業広報の基本です。

 

そのままではつながらない電気配線の接合に、

アダプターを付けますね。

広報はあのアダプターに似ています。

 

消費者(購入者)の立場から見ると

分かると思うのです。

企業の言い分が素晴らしいと思って買いましたか?

違いますよね。

あなたの気持ちや生活スタイルに合ったから、

購入したはずです。

 

相手が受け入れやすい形に変換する

 

発想の転換とは、

先ほども書きましたが、

広報ではなくて広聴から始めること。

広く聴く「広聴」で分かったことを、

相手(マスコミやお客さん)が

受け入れやすい形に「変換」して伝えることです。

 

 

例えば対マスコミならば、

記者が考えるニュースの切り口に変換する。

記者が使う記事スタイルで伝える。

記者目線のプレスリリースを書くことです。

 

商品の機能や装備を単に説明するのではなく、

その商品を使う「社会の変化」を、

記者の頭の中に映像を映すように伝える。

そんなプレスリリースに変換しなければ、

記者は記事を書く気にならないでしょう。

 

お客さんの行動を変えたいなら、

お願いするのではなくて、

お客さんがその行動を望む仕掛けを作る。

小便器を汚してほしくなければ、

便器の中に「的のマーク」を貼る。

 

モラルや美徳をひたすら訴えても

人の行動を一気に変えるとは思えません。

(そういう真面目な考えは大好きですが)

広報なら遊び心とユニークさも持ち合わせてください。

 

簡単に書きましたがとても難しい。

広報マン(広報ウーマン)も会社員です。

私の広報研修内容を実践しようとするほど、

周囲の賛同者が減るかもしれません。

 

広報を送り出してきた企業の経営者が、

広報の仕事を誤解、曲解しているケースです。

広報の仕事を「企業の都合に合わせた情報発信」と

思い込んでいる経営者がいます。

 

研修を終えた広報担当が、

相手目線で賛同を得ていく発想転換を実践できず、

再び「企業の主張型広報」に戻ることもありました。

 

真剣に実践する企業は伸びる

 

難しい話はこのへんでやめます。

要は「分かっていてもやめられない」のが通常で、

そこを思い切って変える企業や団体なら、

大いに見込みがあるのです。

 

良い話を聞いた。

そこで終わる企業が大勢で、

良い話だから大いにやってみよう。

そういう企業は、

広報の基本である「広聴」の意識があり、

大いに伸びる素地があったということですね。

 

ん?……。

また難しい話を書いている自分がいる。

すみません。

 

広報の頑張りはとても大切


このブログを読んでくださる

企業広報やPRコンサルタントが大勢います。

これからの社会を変えたいのでもうひと言。

 

あなたの頑張りはとても大切です。

あなたの発信の根元にある考えが、

単に「企業のため」ではダメで、

マスコミや消費者に心が透けて見えるでしょう。

 

そうではなくて、

あなたの企業の特長を現在の社会のため、

将来の社会のために使うことを優先してください。

 

企業の特長を、

マスコミやお客さんの心に届くように

「変換」する役目に徹してください。

 

 

すみません。

最後まで難しい話になりました。

今の時代に生きていることが貴重です。

日本の大きな転換期だからこそ、

売り方や伝え方を

大きく変えてほしいのです。

 


元新聞記者、テレビ局デスク

メディアコンサルタント・荒川岳志