きょうは真面目な話を書きますね。
いや…いつも真面目ですが、きょうは特に真面目に。
あなたにも感じてもらいたいので。
世界はすべて絡み合い、関係している。
そういう話です。
あの動物は有益だとか、あの昆虫は害悪だとか。
それはたぶん、1対1だけで考えた話。
本当は違いますよ、という話です。
私はこの記事を書いているいま、
北海道の札幌市に住んでいます。
北海道はアイヌ民族が長年、暮らしていました。
和人が来て、急に物事を「利害」で考えるようになったのでは。
そう思います。
オオカミが絶滅しました。
家畜を狙うオオカミは害獣でした。
だから、人間は「要らない」と判断しました。
人間の食糧のために牛や羊を飼いました。
森を開墾して牧草地にして、
牧草を輸入して広大な牧草地を作りました。
いま、エゾシカが牧草地の草を食べます。
森には餌の木々が少なくなりました。
人間はまた思います。
エゾシカは害獣だと。
人間にはまた「敵」が出るのです。
牧草は繁殖力が強く、北海道の自然を変えていきました。
在来種はたいてい弱く、外来種は強い。
北海道という大きそうで小さな島は、
微妙なバランスの生態系で、うまく循環していたのです。
それを忘れたのか、何なのか。
いまは西洋の真似をして、結局は北海道スタイルを手放しました。
たくさんの食糧を作るために西洋ミツバチが輸入されました。
ハウス栽培の受粉のため、二ホンミツバチより蜂蜜の生産性が高いため。
きれいな野菜を作り続けるために農薬を使います。
気付いたら、ミツバチが大量死する世界になりました。
私は心配しています。
人間はまだまだ知能で解決できる存在ではないのです。
自然を制覇できるわけでもなく、
災害を食い止められる訳でもなく。
宇宙に行ったと喜んでいても、
深い海の中で起きることを知らずにいて、
生物の何と何が関係しているかも知らずにいて、
生産性を上げるための、人間のためのものが、
実は人間を苦しめたりする可能性も、
まったく解明できていないのですから。
アイヌ民族の人々は自然を敬い、
自然に生かされているありがたさに感謝し、
人が自然を超えない大切さも知っていました。
私はいつも「長所を大切にしましょう」と話します。
長所に目を向けて、メディア登場して、
あなたを待っている人に会いに行きましょうという話。
でも、きょうは違います。
日本全体の長所を見ましょう。
日本は美しい島国です。
高い山が雨を受け止め、美しい水を恵んでくれます。
でも、人間が、人間の都合で開発した森林は、
多様な生物が棲める環境にならなくなり、
結局はたくさんの生物を絶滅させ、
その恩恵をもらえなくなりました。
もうそろそろ、もういい加減にしないと。
自然の豊かさを感じられないことになる。
自然の恵みを受け取れなくなる。
そんな世の中になると危惧しています。
元新聞記者、テレビ局デスク
メディアコンサルタント・荒川岳志
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