経営者やリーダーにとって後継者作りは大きな課題です。 | 小さな店の人材育成術 ~従業員の“やる気”と“売る気”を一気に上げるマネジメントの具体策 美容室・飲食・小売店・サービス・歯科医院…

経営者やリーダーにとって後継者作りは大きな課題です。

ミスター・コンビニエンスストア。
鈴木敏文会長が退任表明をしました。




今から20年以上前、この人が生み出した店舗オペレーション・システムの素晴らしさに魅かれてセブンイレブンの研究を始めました。

その数年後には、FCオーナーとしてセブンイレブンの店舗を経営することになります。


そのとき、内部から見ることで、さらに鈴木氏の考え方、やり方、革新性、鋭さ、凄さを感じました。


公共料金の決済、消費税還元セール、高級おにぎりの販売、銀行の創業…etc.

消費者が思いもつかないこと、「おおっ!」と思うこと、あったらいいな~と思えることを
常に開発、実行し続けてきた鈴木氏にとって

43か月既存店売上高プラス、5期連続最高益の更新を実現していたとしても,、現社長のやり方は満足しえないものに映ったのでしょう。

実際、ここ数年間に「0」から新たなものを生み出すことはできていないのは事実です。


カリスマ、天才、敏腕と言われる経営者やリーダーにとって後継者作りは大きな課題です。

鈴木敏文氏に至っても、そのことは、以前から内外で指摘されていた問題の一つでした。

なので、83歳になっても実質的な現場の指揮を執り続けなければならなかったわけです。


ただ、この類の課題を抱える企業経営者は世の中に多数存在しています。


なぜ、後継者作りがうまくいかないのか?


それは、自分の跡を継ぐ人間に対して、自分と同じ考え方で行動し、結果を残すことを求めてしまうからだと私は考えます。


結果が良ければそれでOK!ではなく、全てにおいて、自分と同じでなければ、気が済まないという経営者、リーダーはことのほか多いのです。


でも、現実はどうかと言えば…

寸分狂わずに自らのコピーを作ることは不可能なのです。


そのことは薄々気づいていながらも、多くの場合は自らの分身になることを他者に求めてしまいがちです。


今回の退任劇についても、根底にあるのは、この問題が大きいのではないかと私は捉えています。


部下(スタッフ)に対して、自分の分身になることを求めることはお勧めできません。


到達するべきゴール、組織としての考え方、価値観の統一は必要ですが、行動、やり方、歩んでいくコースについては、彼、彼女たちに一任するべきなのです。


そうすることで、部下(スタッフ)は自分で考えて、行動し、大切なことに気づくことができるようになリます。


結果として成長が加速し、後継者が生まれていくことになります。


鈴木会長なき後、セブン&アイグループがどうなっていくのか?

興味深く観察していきたいと思います。