腹膜透析について 〜生きるための透析 生活の自由度がうれしい治療法〜
腹膜透析には、1日4~8H毎に計4回透析液交換するCAPDと自動透析機器で夜間帯に腹膜透析するAPDの2種類があります。
腹膜透析の利用者は日本では約3%です。これは腹膜透析治療ができる病院が少ないことにも要因があります。腹膜透析可能な病院には、病院側で腹膜透析の手技修得してるナースや技士が複数おり安心して治療できます。
ただし、腹膜が徐々に機能低下するため、腹膜透析が続けられるのは10年以下となり、途中で血液透析とのハイブリッド透析から血液透析に移行します。
私の場合は、仕事の都合もありましたが、腎臓の残存機能(RRF)を活かせる、夜間帯に自宅で透析が可能、タンパク質や水分制限などは必要ですが血液透析に比べて食事制限が緩く、日中帯は普通の人と同じように活動できることにメリットを感じてAPDによる腹膜透析を選択しました。
腹膜透析導入前に下腹部の腹膜内につながるカテーテルを埋め込む手術が必要です。私の場合は全身麻酔で手術時間は1H程度だったようです。
デメリットとして感じたのは、自動透析機器と透析液の保管スペースとして1畳程度の確保が必要なこと、APDの自動透析機器のセッティング・操作修得、チューブ出口部の消毒・保護のための手技修得、入浴時のチューブ出口部の防水処置、宿泊出張のためのCAPDでの透析液交換の手技修得が必要など覚えることが多いことです。
ちなみに、これらは透析導入の入院中に修得できるので心配いりません。
私にとっては、デメリットよりもメリットの方が多く、APDを選択してよかったといまでも思っています。
慢性腎不全 〜生きるための透析〜
腹膜透析のこと しょの2 出張・旅行
出張・旅行にはエキストラニールは持参するが、レギュニールはバクスターにホテルに配送を依頼します。一箱分(5袋だったかな?)で千円以内に収まったはずです。未使用の余りは現地で排水して袋をゴミとして処分してもらいます。
ホテルでゴミに出す時は、透析液は必ず捨てて下さい。ここ注意点です!
出張先のホテルではツインバッグを吊るす場所と方法を考える必要があります。
ですから、常備品として、
・太めの紐(輪にしたり縛ったりフックが使えない時)
・S字フック
・マグネットフック(スチールドア用)
・吸盤フック(ガラス窓用、壁に使えることあり)
・鴨居用フック(鴨居を上下で挟むタイプ)
・ドア用フック(ドア上部に挿すタイプ)
を百均で揃えて袋に入れて持っていきます。
これは、入院時にも役に立ちますよ。
マグネットフックと吸盤フックは大きめを選択してください。この2つのフックは何かと便利です。
紐をかけて洗濯物を干したりできます。
あとは、テーブルタップかつなぐ用バッテリーがあれば大丈夫。
透析セットと消毒セットは百均の救急箱に入れておきます。1日分の必要量を書いておき、それを見ながら宿泊数に合わせて用意しました。
先生に出張時お昼のバック交換が難しいことを相談した際、「数日ならば、仕事が終わってから、ホテルで1〜2時間毎に指定回数バック交換して良い」との許可をもらっていたので、短期の旅行は全てこれで過ごしました。でも、終了時間が必ず深夜になります。
まぁ、APDも大体2時間毎に液交換しているから、許容されたのかもね。
懇親会等がある時は、まずホテルに速攻帰ってバック交換1回済ませておくと、あとが楽になります。懇親会に遅れても体制に影響ないですから。
おそらくCAPDのみの場合は、こんなことを先生から言われたことがないと思いますが、一つの運用方法として覚えておくのもいいと思います。
ただし、私はエキストラニールを使用してこれで除水しているため、レギュニールだけの方は予め先生に相談しておくほうがよいでしょう。