ブッダの故郷~ミンタという少女~ | 世界のどこかで光っちゃお☆

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タイトルポップですか?世界を旅するならこのくらい個性あっていいよね。


誰かが何も考えず生きた1日は誰かが精一杯努力して生きた1日。
誰かが持て余しているチャンスは誰かが願っても叶わないチャンス。


ある少女から教えてもらった事である。

バラナシから鉄道で6時間ほど。ガヤ到着。

辺りは真っ暗。フランス人2人と一緒にリキシャにのってブッタガヤまで。
一人は25歳男性で会社を辞めて世界一周している途中。もう一人は24歳女性で男の人のいろんな意味での友達っぽい。この男性がインド来るのに合わせて一緒に来たのだそう。

宿に寝てすぐ就寝。朝の座禅修行に行くためだ。

朝4時半。
まだ外は暗い。

ここブッダガヤは仏教の悟りの土地であり様々な国の寺がある。

デリーinコルカタoutの旅行者ならブッタガヤは地理上最後に訪れる街。
そして僕が最も楽しみにしていた土地である。

日本寺で行われる朝礼に向けて出発。5時から45分間の経からの座禅があるのだがまたこれがつらい。

無にしようとすればするほど色んなことが浮かんでくる。
なんで旅に出たのだろうかとか。この旅が何につながるのだろうか、日本に帰ったら何しようか...

終わってお坊さんに聞いてみた。
どうしたら雑念を取り除くことができるのか?

こう言ってくれた。
芯を持ちなさい

わからん!!芯って何だ?悟りって何だ?

そう思いながら宿に戻っているとある少女と出会った。
彼女の名前はミンタ。12歳で親の手伝いをしながら学校へ通っている。

時刻は午前6:00。
親の代わりに皿洗いをしている。

芯があり笑顔が素敵な真面目な子だ。
話してみると両親共にいるが父は寝てばっかりで仕事をせず母は家事を押し付けてくる。
学校には行っているがお金が無くろくに教材も変えない。

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そのうち「チャイ飲む?」言われてうんっていうと家(扉が無くぷれはぶみたいな感じ)に戻りチャイを1杯くれた。

ここまではなんとしてでもお金をもらおうとする子供と一緒だ。

だけどここからが違った。

金があったらどうしたいって聞くと「勉強教材がほしい」と言ってくる。
英語は自分の独学らしい。事実親と話してみてもミンタの英語力よりずっと低い。
ガヤはインドの中でも識字率が最も低い地域だ。
そんな子が普通に英語を話してくる。

しばらくして学校に行かなくちゃといって家へ戻ろうとする。
チャイのお代は?ってきくと「好きな分でいいよ

∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

インドで出会ったすべてのインド人の中で一番寛大というか読めない子だ。

経と座禅は夕方も行われているので帰り道ミンタの家を通るとやっぱり皿洗いをしていた。
朝と同じようにイスを持ってきてくれてチャイを出してくれる。

話すことは様々だがどこかで「お金が無い、勉強したい」ともらす。
お代は決まって「好きな分だけ

ちなみに、インドの女の子は旅行者に対してあまり話しかけてこず、だから仲良くなるのは決まって男の子なのだが、ミンタだけは普通に話しかけてきた。

これまでの経験上、ただお金が欲しいだけなら相手の目を見て堂々と話すのが一般的だ。
ただミンタはその話になると視線をずらす。恥ずかしそうに話すのだ
そして、決してお金を請求しようとはしない

それからブッダガヤにいる間は毎日朝夕ミンタに会いにいくようになっていた。

ブッダガヤ最終日、最後だから多めにチャイ代を払うと
初めて「もっと欲しい」といってきた。

ここで気付いた。
おそらく僕があげているお金は家族の方に使われていて目線をずらしていたのは本当は恥ずかしくて言いたくなかったけど家族のことを考えて言っていたという事!
そしてミンタ自身物欲はあっただろうがあえて言わなかったこと。

母親に向かって「このお金はミンタのものだ」と言ってミンタにいくらかあげて別れを告げた。

あのお金はどうやって使われたのかは分からないが、ミンタとの出会いは僕の旅で思い出に残っている一つである。

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彼女と違って自分は日本に生まれて努力さえすればチャンスもある。
そんなことも日本で暮らしてたらわからなかった。
だから彼女に負けないくらい精一杯努力するんだ。

僕の人生の選択の中にミンタとの出会いは間違いなく活きていると思う。

それから39℃を出しながらプラットフォームで4時間遅れている列車を待ちながら
最後の街、コルカタへと向かった。