「弟」 | Kenaz光(ひかる)の占いブログ

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タロットや西洋占星術などの占いの事やスピリチュアルな事を書いていきたいと思います。




ある人のFacebook(ブログ)読んで、あっ、ここでアップかなと思ったので(最近の個人的流れやTOKIOの件も少しある、そして今日は下弦の月)(っていうかなかなかアップするタイミングが掴めなかった)ずっと(1年以上)寝かしていたブログをアップします。







だいぶ前(1年以上前)に通っていた文章講座(卒業しました)はロゴセラピーも兼ねていて、そこで「自分にとっての特別な物語」を書くっていう課題がありました。



ロゴセラピー( Logotherapy 意味中心療法 )っていうのは、人が自らの「生の意味」を見出すことを援助することで心の病を癒す心理療法のことです。
創始者は、神経科医で心理学者のヴィクトール・フランクルで、ジークムント・フロイトの「精神分析」やアルフレッド・アドラーの「個人心理学」と並び、心理療法のウィーン学派三大潮流のひとつとして挙げられることもあるものです。



むかしの誕生日のブログ(時間ある人はこちらも読んでほしいです)(https://ameblo.jp/hikaru-33/entry-11478521443.html)にも少し弟のことは書いたこともあるので古い読者の方は知っていると思いますが、
ずっと弟のことは書きたいと思っていたので(主に自分自身の未消化の感情との向き合いのため)いい機会かなと思い、向き合って書いてみました。
(書いてる途中で少し涙ぐんでしまったけどね(笑)それはそれで感情を消化できたということなのでOKということです)



※なかなかこのブログをUPするのを何かためらっていたんですが(それは多分、世間的に暗い内容だからやし、天使に訊いたらUPダメとか言われてたし...)自分と向き合うためにも、少し周りの人にも知っていても欲しいし(こんなこと話す機会もないし、でも知っていて欲しい気持ちもあるし)もういい加減UPしたいと思いUPします。



ちょっと暗い内容かもですが、遠慮なくいいね!押してもらえたら嬉しいです♪






『弟』



「S警察です。こちらは〇〇さんの携帯電話ですか?」


「はい、そうです」


「弟さんのYさんのマンションで死体が発見されました。すぐに身元確認にお越しいただきたいのですが」



一瞬で頭の中が白くなりかける。
警察との電話が終わるとすぐに明石に住んでいる妹に電話をした。




私はS警察の2階の応接間で、妹と妹の旦那、社会人になっている妹の長女の4人で説明を受けた。



警察の状況説明によると、第一発見者は新聞の集金に訪れた人だった。
玄関横の台所窓が開いていたので、そこから室内を見ると人がソファーに横たわっているのが見える。
声をかけても反応がない。何やら様子がおかしいとのことでマンションの管理人、警察への流れである。
死後およそ36時間、死因は肺炎とのことだが、変死のため明日司法解剖とのこと。


「身元確認はどなたがなされますか。ご遺体の損傷が激しいため、お嬢さんは避けられた方がいいかと思います」


まだ若い姪を見て警察はそう判断した。


20年ほど前に、同じように真夏のマンションで孤独死した叔父がいた。
身元確認に出向いた10年前に亡くなった父親の言葉が頭によぎる。


「死体がウジだらけでもう見てられへんかったわ」




「私が見ます」


長男の役目である。



駐車場の片すみの物置のようなところで対面した。
ミイラみたいにガリガリにやせ細っていて死後硬直のせいか、不自然な形で腕が固まっていた。
ガタイがよかったYとはあまりにかけ離れていて、全然知らない人を見ているようで、何の感情もわき上がってこなかった。


骨と皮だけのような顔をじっくりと見ても、間違いないです。とも、違います。とも言える自信がなかった。



この状態なら妹に見せても大丈夫だと思い、外で待っている妹といれかわった。
妹の姿が見えなくなるとすぐに嗚咽が聞こえてきた。




集まった4人で今後の方針や流れを決める。
通夜、葬式はしない。というよりできない状態だ。


明日の司法解剖が終わりしだい葬儀屋に引き取ってもらい、明後日の火葬場の予約がとれれば、明後日火葬場の流れで、空いている時間に、親族、親しかった友人への連絡、マンションへ出向くなどが決定する。


最大の難問は2ヶ月前から入院している母親に伝えるか伝えないかである。


「外出許可ってとれるの?」


何度も見舞いに行っている妹に尋ねる。


重度のアルコール依存症患者は、3ヶ月の治療期間 原則的に隔離病棟からは一歩も外に出れない。



妹によれば来週からリハビリの週1回の外泊が始まる予定だったらしく、主治医に事情を説明して、1週間外泊を前倒ししてもらおうと思っているとのことだった。


外に出れるなら伝えないわけにはいかない。



病院は海が見える山の中にある。
緑の多い病院の正門から妹と一緒に出てくる正気の顔に戻った母親を見ると、
入院前の日常生活をおくることができなくなっていた顔とは別人のようである。


死刑執行を告げる人はどんな気持ちなのだろう、車の中で今の自分の心の中を推し量る。


「今日平日やのに仕事休みか?」


平日の昼間にここにいる私を母親はいぶしがる。


「実はな・・・、Yが亡くなってん・・・」


できるだけ平静を装ったつもりなのに声が震える。
一瞬で理解したのか、


「何で教えてくれへんかったん、何で教えてくれへんかったん・・・」


と嗚咽まじりに、ただただ繰り返す。


「だから、今日伝えに来たんやん」


こちらも涙声でそれをいうのが精一杯である。



午前中はお葬式の時間なのだろう。
午前の火葬場は私たち5人と葬儀屋の人しかいない。
係の人がストレッチャーから火葬炉内に送出する。
見届け人は5人だけだ。


「こちらの控え室でお待ちください」


係の案内に従い控え室にはいる。
控え室からは火葬炉の煙突が見える。
そんなところに魂はないと思っているはずなのに煙突の先に向かって、


「よかったら、また兄弟やろうぜ!
けっこう楽しかったよ。今までありがとうな」


弟に最後のことばをかけた。



煙突の先には煙(けむり)も何も見えないが火葬炉の熱のせいか、空間が揺らいでみえた。




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文章講座の課題で書いた別の文章です。



「生きること自体がスピリチュアル」




「好きっていう気持ち」









お知らせ




5月18日(金)


「タロット・オラクルカードお茶会」です♪♪

https://ameblo.jp/hikaru-33/entry-12372980566.html


場所   地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅



参加者募集中です♪♪