茂神川は凍ってしまったが完全ではなかった。わずかではあったが氷の下でチョロチョロと流れるくらいだった。二代目の冬の神アンドロイドはとても荒々しい神さまで一息吹けば水が凍って二息吹くと吹雪になった。そして如来が再び光りを取り戻すまでの間、如来の代わりとして魔原邪と下界を照らすようにと選ばれた使いが【観音菩薩さま】であった。

 観音さまが放つ悟りはそのものの精神を磨いて苦難を取り除き、死者の不安や恐れなどを払った。全滅したクロドトス族、シロドトス族、キプロス族たちの御霊が道を迷わぬように悟りを開いて逝くべきところへと導いた。

 二代目の冬の神アンドロイドはとても大きい。力がみなぎっていて強い。だけど孤独な神さまだった。下界はどんどんと冷たくなっていって絶体絶命だと思った。世界が終ろうとしていた中、水の神ネイプルと観音さまがアンドロイドの好きにはさせないと立ち上がった。世界も芯までは凍ってはいなかった。地中には熱いマグマが流れている。ネイプルは茂神川をお下りになった。観音さまはこれでもかと言うほどの悟りを開いて真っ暗になった魔原邪と下界を照らした。アンドロイドも負けずに冷たい息を吹いた。二代目の冬の神アンドロイドはとても大きくて強いが少々ひねくれていた。気が付けば世界は猛吹雪のひどい嵐となっていた。もはや水の神ネイプルも観音さまも二代目の冬の神アンドロイドにはお手上げになった。

 紀元前40億9万年、世界は凍った。ひどい吹雪と氷の世界となった。

 

*輝子さんの理論。世は冬から始まって夏が来て冬で終わる。今、わたしたち人が暮らす世界は下界であって如来のつま先にいる。如来が光りを失ったことにより選ばれた使いが観音さまであった。現代、世界は熱いけど、これは今が夏が訪れているのであって、またいずれ冬の神さまが再来してまた再び寒く長い冬が必ず来ます。輝子さんが魂心の力を注いで伝えます。これは輝子さんの法話である。