この国の「罪」と「罰」”プリズン・サークル” | 塚越友子(臨床心理士・公認心理師)オフィシャルブログ Powered by Ameba

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築地駅徒歩1分のカウンセリングルーム 東京中央カウンセリングの心理カウンセラー(臨床心理士・公認心理師)塚越友子が薬に頼らず「うつ」や心の病を治す方法♪&だれとでもうまくつきあえるようになる人付き合い上手になる方法♪を教えます♪

こんばんは

東京中央カウンセリング塚越友子です。

 

最近、映画評のブログと化しておりますが

今日も映画から考える心のこと・人間理解シリーズということで進めます。

 

この国の”罪”と”罰”について考えさせられる映画

プリズン・サークル

日本で唯一、更生をうながすTCプログラムを導入した

島根にある刑務所 でのドキュメンタリーです。

 

たぶん、「プリズン」「刑務所」「更生」といった言葉で

嫌悪感やなんとなくもう読みたくないとか自分には関係のないことだ

とか難しそうとか思った人多いと思います。

 

そんな感情を持った人こそ、みた方がいいドキュメンタリーだと

思います。

 

まぁ、だいたいプリズンサークルの話を心理臨床や福祉関係以外の知人に話すと

だれもあまりちゃんと聞いてくれません。

 

「なんかえらいね」

「本当はこういうこと好きなんだね」

「勉強家だね」

「しんどそう」

「私はむり」

「研究と関係するからみるの?」

 

返ってくるのはこんな言葉ばかり。

まー、いいんですけど、このドキュメンタリーの本質は

 

人は人によって救われる

 

につきます。

だから、罪を犯した特別な人の物語ではなく、

わたしたち皆に関係するドキュメンタリーです。

 

普通の人こそ、救われるのではないかと思うほどです。

 

さて、この先の感想や更生についての見解は、

昔コメンテーターをしていたころに、ちらっとテレビで語ったら、

メタクソに叩かれたので、怖いのですが

大切なことだと思いますし、

意見が違うからといって、叩くというのもおかしな話で

それこそが、犯罪者を生むわけで

違うなら違うでおいておけることが大切だと思うので

書きます。

 

なかなか、本題に入らないのは、防衛しているからです(笑)

安全な状態がなければ、人は自分の心のうちを語れないからです。

 

 

さてさて、「人は人によって救われる」という抽象的なことについて

あれこれ映画を見ながら考えたことを書いていきましょう。

まとまってないけれど、ざざっと書きます。

 

過ちに気づき、悔い改め、贖罪をするには

安全な環境で自分の心のうちを語ることが大切だということを

TCプログラムは教えてくれます。

 

これは心理職目線で考えると

安全な環境があることで、はじめて自分の内側にあることに

言葉をつけることができる。

つまり、自分で認識することができる。

 

安全安心な状態を作り出すことができなければ、セラピーは成り立たない。

やはり、治療構造(外的・内的)・枠があってのことであり、

傾聴の姿勢があってのことでありという基本のスキルが心理職に

あるかを反省させられる。

 

自戒の意味と自分のことを棚にあげて偉そうにいうなら、

初心者心理士の心理臨床を学ぶ姿勢をみていて、危惧していたことを

このドキュメンタリーは雄弁に語っていたなということ。

 

つまり心理技法に走り、傾聴や構造をないがしろにするもしくは

それは意味のないことと技法的な心理療法に傾倒する姿勢は

もはや心理臨床ではないわけです。

 

でも安心安全で守られた空間、安心安全な対話相手になるという

ことがどれだけ難しいか。

 

2点目として対話というものは何か?

対話・救い・悔い改めること・罪をつぐなうことといった

抽象概念で語られることの具体性を映画では知ることができます。

映画の中では、

抱えられる(向き合う)って具体的にはどういうことですか?

という問いが受講者から支援員に投げかけられます。

 

これに具体的にわかりやすく答えられるでしょうか?

 

そのためには、たとえ罪を犯していないとしても、

自分の負に向き合い、自分の過ちに向き合い、

それを抱えて生きているという経験をしていないと

安心できる対話相手になれないだろうと思います。

 

こういう話をするとすぐに、過ちは私にはないという人がいるけれど、

過ちを犯していない人がいるだろうか?

それは単に過ちに気づけ無いだけなのでは?と思う。

 

こうして、過ちに気づけることそのために安心安全な環境があることに

戻ってくる。

 

3点目は罪と罰について。

罰することは、全く罪を償っていない。

罪を背負いつつ、そんな自分と向き合いながら生きていくことで

はじめて本当の償いになるのではないか。

ということに気づきました。

 

もしも、自分の身内が危害にあったらを考えると、

加害者の更生・回復ということの重要性を知識としてわかってはいても

死刑制度や厳罰化には反対できなかった。

 

しかし、ドキュメンタリーを被害者目線でわざとみても

死刑・厳罰化では何も解決されない。と気づいてしまう。

 

パンフレットに信田さよ子先生の言葉がありました。

 

自分を振り返らず、恨みと怒り、その反対である無感動・無感覚のまま絞首刑になること。

 

今の日本の”罰を与えて閉じ込めればこりて再犯しなくなるという単純な人間観

 

本当にそうだなと、TCプログラムで自分の罪と自分に向き合うことの方が

死刑よりも終身刑よりも苦しいことであるし、

罪と向き合い続けて、人生を生き抜くこと。

それでこそ贖罪になるのではないかと思う。

 

そしてこの自分と向き合うことの苦しさは

日常では逃げ出してしまうことが簡単にできるので、

服役している間こそ逃げることができず、

挑戦する絶好の機会なのではないかとも考えました。

 

でも、この点については、もしも自分が被害者になったら

そう考えていられるかは怪しいですが。

 

今の日本は初犯よりも再犯率の高さが問題になっています。

再犯を防ぐためには、更生と社会の受け皿が必要です。

多くの受刑者がTCを受ける機会をもてるようになればいいとも

考えました。

 

残念ながら、このプログラムを受ければ全員が再犯しないという

わけではないですが、

更生の機会、回復の機会というものはあったほうがいいのではと

理想論では思います。

 

他にもあるんですが、そんなこんなで長くなりました。

個人的には自分の中の被害感情みたいなものの残り香に気づいて

しまったので、

教育分析をうけて向き合いたいと思います。

 

 

記事が皆さまの何かのヒントになりますように!

 

 

今日も最後まで読んでくださった素敵なあなたに

たくさんの幸せがおとずれますようにあひる


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