影武者徳川家康 | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
新潮社
隆 慶一郎

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

テレビ版ページ

《あらすじ》

慶長五年(1600年)、徳川家康(西田敏行)率いる東軍と石田三成(及川光博)の西軍が激突した天下分け目の合戦、関ヶ原の戦い。三成側の島左近(高橋英樹)は甲斐の六郎(高橋光臣)に家康暗殺を命じる。かくして討たれた家康だったが、家臣がとっさに「死んだのは影武者」とその場を収め、影武者の世良田二郎三郎(西田敏行=2役)がそのまま家康として振る舞い続けることに。
野心に燃える徳川秀忠(山本耕史)は二郎三郎と対立、兵法者の柳生宗矩(内藤剛志)を雇い入れ、豊臣家を潰し、天下を取るための画策を始める。豊臣家の滅亡は自らの終焉を意味すると悟った二郎三郎は、家康側室のお梶の方(観月ありさ)の助けも借りながら、戦のない平和な世の中を実現しようと決意する。

《追記》

原哲夫の描く漫画バージョンもありますが、内容はきちんと原作をなぞってくれていますが、家康がスマートな紳士然としているので、史実とはかけ離れた感じがありますが、格好良い感じがいい方は漫画を見るのもよしです。

《私的にコメント》

関が原の戦いを契機に何故か1歳若返った家康。重宝されていなかった秀忠が突然、徳川を継げたのは。人望厚いとされた不遇の結城秀康の暗殺に一役買ったのは。いろいろな史実におけるズレが噛み合ったひとつの絵巻、それが影武者徳川家康と言えるのかもしれない。

代々、暗殺によって頭首を失う徳川家には影武者が用意されてきた。できる限り風貌が似た影武者を用意することで、暗殺者に対して抵抗をしてきた。

そんな徳川の影武者になることになった世良田次郎三郎。家康が思い描く戦のない泰平の世を作る一役として家康に付き従ってきたが、関ヶ原でひとつの事件が起きてしまう。こともあろうに、暗殺者が本物を殺すという結果に…。

本来であれば配線必死の状況を打破したのは、世良田の機転だった。そこから、世良田の長い戦いは始まる。孤独な戦いを覚悟していたにも関わらず仲間を得、最後の最後まで秀忠を困らせ続ける様はあっぱれと言える。

守るべきは、愛する人と家族。

そのために持てる全ての力を動員して戦い抜いた末は…本当に徳川家康は本物だったのだろうか。そんな事を思わせてくれる作品でした。