空模様…こんなひとつのラヴソング 38 (法子と佳代のコラボレーション6) | 気紛れな心の声

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気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

法子も佳代も困り顔で顔を見合わせた。

「それが天城の事を話していたら、入れてくれて」

「なるほど」

一真は、苦笑しながら手にしていたグラスをおき、涼子の横の席を手で示した。

「でも、ここは「あまり、ガラ的にはよろしくないぜ」

「あっ、うん、そう聞いた、外でも」

佳代は、ペロッと舌を出して言った。

「先輩!」

「どうも」

涼子は、佳代に微笑みかけながら返事をした。

「来るなら、つれてきてくれたらいいのに」

「そうね、でも、ほら、何処か抜けているから私」

「あ~~、根に持っています?」

「持ってませんよ、でも、私がここにくるって言ったら、自分では何も考えずについてくるだけでしょ?」

「………」

「誰かの所為で、恋が成り立つような事はないから、ね」

涼子は、グラスを眺めながら呟くように答えた。きっと、この言葉に込めた意味も伝わらないだろう。それはそれでいいのだけど、続ける言葉が思いつかない。、もう少し、何かを付け加えてあげたいけれど…だった。

「恋ってなんですか?」

「知らない」と、涼子は即答した。

「じゃあ、愛って」

「解らないかな」

「………」

「解らないから、知らないから、それを追いかけるのかも、ね」

涼子は、クルリと椅子を回転させ、階下のダンスフロアーを眺めながら佳代に言ってみた。

「あそこには、色々な愛の形がある、恋の形も、でも、それが何かは解らないよね、でも、きっと、みんなそうなんだよ、いつか振り返ったときに、それが、愛だったり、恋だったり、恋愛だったりするんだよ」

「難しいですね」

「簡単な恋なんて、恋じゃないかもよ」

涼子は、楽しそうに呟いてみた。本当の、答えはまだ、見つかっていない。いや、いつまでも見つからないような気がする。漠然と元太が好きで、元太を愛していて、一緒の時を紡いでいくと思う。それを恋というし、愛とも言うだともいう。恋愛をしている自信もある。でも、そこにある定義はきっと見つからない。

人がいれば、その数だけ答えが在るのだと思う。

意外と、恋愛マニュアルが流行る時代が来るかもしれない。

そこで、いくつかの答えは見つかるかもしれないけれど、それが絶対に、とは、思えないだろう。自分の恋の答えは、自分でしか見つけることができない。どこかで、妥協する部分はあるかもしれないけれど、きっと、それでは自分自身が納得できなくなるのも読めていた。

「先輩の恋は?」

一人物思いに深けている涼子に法子が尋ねてみた。

「元太」

「えっ?」

「私の恋は元太」

「……惚気ですか?」

「そうよ、愛も元太、恋愛なら」

「元太ですか?」

「そう」

「幸せ一杯で憎たらしいですぅ」

「あれ、そう?」

「はい」「はい」

「ところでさ」と、一真は、盛り上がる三人の間に声を投げ込み、「クラブは、初めて?」と尋ねた。

「ん、初めて」

法子が、一真に返事を返した。

「だろうな、で、飲み物だけど、シンデレラ、でいいかな?」

「えっ?」

「ノンアルコールカクテルだから、酔わないよ」

「あっ、うん」

法子は、クスッと笑みをこぼしながら一真を見つめた。

(恋は、愛は、恋愛は…か)