ふぁーすと きっす (私小説…ちょ~短編) 結果編1 | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

錬は、美弥を抱きしめて身体を引いた。

(えっ?)

プッシュ。

(えっ、うそ…)

「ああ~」

「錬君…」

「まぁ、仕方ないよね…最終だし…」

「もう…」

ドアの窓から見えていた景色が流れ始めた。ゆっくりから速度の中へ。流れるネオンが光の海を作りだしていく。そんな感じがそこにあった。

「もう…」

「ごめん…」

「ごめんじゃないよ…」

美弥は苦笑しながら、錬の唇に唇を重ねた。さっきのような、錬のした不意打ちではない。相手を感じるための、相手と交わるためのKissを求めて。

(ん…好きよ・・・錬、でも…)

美弥には、夫子がいる。その家庭を壊すつもりは無い。それなりに愉しくしているのだから。きっと、その生活に不満は無い。夫には、文句はあるが、それをどうすることも出来ない不満にするつもりは無い。子供も日に日に悪戯を増やされて勘定的になって怒る以外は、特に問題も無い。

好きだけでは、全てを解決する事はできない。

「どうするの?」

「車掌に言って、名古屋で折り返すか…それとも、大阪まで行くか…」

「車掌に?」

「……最後は、俺も東京に戻って、素直に言ってぶんなぎられるか?だろう」

「うん・・愉しまなくちゃ」