未来へ… 11 | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

健太は、麻奈を一度強く抱きしめると降ろした。

「走ろうか…?」

「いいよ…」

「用意…」

「どん…!」

「あっ…」

健太は、先に走りだした麻奈を追って駆け出した。

思えばいつも弥生の背を追っていた。弥生は、いつでも先に進んでいた。一つ上のステージをまるで牽引するかのように走っていた。それが当たり前のように。

健太は、その背を追い越そうと努力してきた。

いつか自分の世界で…自分の背を見せてやろうと思ってきた。

だけど、時はそれほどゆっくりと待ってはくれない。いまを精一杯駆け抜けていく者を、「いつか」と思っているものが追い抜かすことなどで気はしない。先に走る人を追い抜くには、フライングするか、その人の倍も走り抜けて見るかしか無い。

人生は、決して同じ時の流れの中には無い。

だからこそ…。

健太は、クスッと笑みを溢し、一気に麻奈を抜き去った。

背を見守る寛大さは持っている。が、背を追わせる事を選択してみた。色々な事な思いはあるがあえてそうしてみた。きっと、弥生もそうしてきただろう。子供の目線で未来を追うのは大切だ。だが、加減する事を間違えてはいけない。否定すべきところは否定する。

未来への時は駆け出した。

いま共に歩む人生という奇跡が分かれる時まで…精一杯、相手をしよう。

「あっ!健太…まて~~」

「勝負の世界は厳しいのだ」

「大人の癖に」

「大人も子供関係ない!」