まずは、抗がん剤で様子を見て、腫瘍が小さくなれば手術という治療を選んだため、がん専門病院に7月半ばから1週間入院し、食道がんの抗がん剤治療がスタートしました。

 

具体的な治療法は、抗がん薬のシスプラチンと5-FUに、免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダ)を併用するというもの。

この組み合わせは、私のような切除不能進行がんに効果があると言われています。

 

ただ、腫瘍がある一定以上縮小する人の割合は45%(国際共同治験KEYNOTE590試験)といわれ、人によっては効果が現れないどころか、がんが大きくなることも。

効果がない場合は、1回目を終えた段階で、すぐに抗がん剤+放射線治療に切り替える、という方針でした。

 

入院2日目に、左腕に点滴の針を刺し、いよいよ開始です。

特に、5-FUは24時間×5日間点滴を続けなければならず、その間、点滴スタンドとともに過ごす必要があり、少々やっかいです。

しかも、尿を毎回紙コップに取り、計測器で量る必要があります。これはとても面倒です。

 

でも、「ようやく治療が始まる!」という安堵感と嬉しさがありました。

何しろ食事のご飯はお粥ながら流動食ではなく普通食を食べることができましたが、すべてを箸で1cm四方ほどに小さくし、さらによく噛まないと喉に詰まってしまうような状態。

1食を食べ終わるまで、40〜50分ぐらいかかっていました。

ですから、抗がん剤治療への不安より、「この治療で飲み込みがスムーズになるかもしれない」との期待感が優っていたのです。

 

吐き気止めなど副作用を防ぐ薬剤も点滴されていたので、吐き気が起こることもなく、背中や胸の痛みも徐々に緩和されていきました。

 

副作用といえば、主にむくみと退院間際に起きた下痢、退院後の口内炎といったところでしょうか。むくみは利尿剤、下痢は整腸剤、口内炎は院内処方の痛み止め入りうがい薬で、何とか乗り切ることができました。

 

下痢や口内炎で体重が減ってしまい、体がペラペラにはなりましたが、病院のしっかりとした副作用への対応策に救われました。

 

そして、退院から9日目に、抗がん剤の効果を調べるべくCTと胃カメラを実施。

この結果で、その後の治療方針が決まります。

 

自分の感覚としては、飲み込みにくさがやや解消された感じはありましたが、効果のほどは五分五分といったところでした。