6月23日に食道がん肉腫と診断された後、紹介先のがん専門病院に連絡し、初診の予約が取れたのは、同月30日。
その初診までの1週間は、精神が崩壊寸前でした。
人はがんそのものというより、メンタルが弱ることで簡単に死に瀕してしまうのではないかと痛感した日々でした。
もともと私は、超ネガティブ思考で、何でもマイナスの方向に考えがちです。
最悪の状況を妄想する力なら、誰にも引けを取らない自信があります。
そんな人間が、生死に関わるできごとに直面したらどうなるか。
自分がネガティブだとわかっているから、できるだけ感情的にならず、理性的でいようと自分に言い聞かせていましたが、そんな自制心は早々に崩れ去りました。
この先1人にしてしまうかもしれない夫のこと、愛猫との別れ、仕事のことなど、ありとあらゆる救いのない未来で頭が一杯になり、眠れない、食べられない状態に陥りました。特に、食事はただでさえ飲み込みにくいので食欲より哀しさが増し、一気に体重が落ちました。
あまりの絶望感に、涙すら出ませんでした。
それでも、夫に負担をかけたくなかったことと、このときはまだ仕事をしていたことで、苦悩しながらも何とか正気を保ち、ようやく初診日の30日を迎えました。
がん専門病院の消化器内科医(現在の主治医です)は、クリニックの紹介状や画像から、とりあえず「食道がん肉腫」と診断を下しました。がん肉腫はがんよりも「顔つき」が悪く、抗がん剤や放射線が効きにくいので、切除手術するしかないと言います。
とはいえ、どれほど進行しているのか検査する必要があるため、改めて胃や大腸の内視鏡検査、頭頸部エコー、造影剤を用いたCT、PET-CTなどを行い、7月13日に結果が出ました。
その結果は、またもや予想外のものでした。
「がん肉腫ではなく、詳細に調べてみたらステージ3の食道がんでした。ただし、ややこしいことになっていて、他臓器に浸潤している可能性があるので、今のところ切除不能です」
本当にややこしい。
病院の規模や検査方法によって、結果が全く変わってしまうなんて。
がんというものは、診断一つとっても難しく、自分がこの先向き合わなければならないものは、一筋縄ではいかない手強いものなのだと実感したのでした。
ここまで書いて、今、はたと気づきました。
サブタイトルの「3つのP」とは何か、これまで説明していませんでした。
これについては、次回に書こうと思います。