私は育児本を読むのが好きでした。
暗記するほど読む事もありました。
赤ちゃんのうちから沢山、話しかけたら良いとあったので、私は暇さえあればずっと話しかけていました。
みっちゃんがなかなか寝ない時は
延々と歌をうたいました。
「森のくまさん」「おもちゃのちゃちゃちゃ」を
声がガラガラになる位、歌う事もありました。
歌うのは好きなので全然、苦ではありませんでしたが
一歳半を過ぎても
みっちゃんから言葉が出ることはありませんでした。
こんなに毎日、話しかけているのに…
もやもやした気持ちを押し込むように
毎日毎日、歌を歌い
お話しを沢山しました。
喃語は、ずっとありましたが
意味のある単語が出ませんでした。
そして一歳半健診です。
空欄が続きます。
どんな遊びが好きですか。
物を投げたり、紙をビリビリに破いたり…
書きたいと思える内容ではなかったので
書けませんでした。
医師からは、まだ小さいので様子を見ましょう。
という事でした。
私は、どこからか湧き上がる不安から逃げるように
育児本を頼りに、毎日外へ出かけていました。
だってこんなに毎日出かけて、話しかけて
歌を歌っているんだから。