引き寄せの法則 (よくないほう) | 夢と希望と宝塚

引き寄せの法則 (よくないほう)

またやってしまった、お人好しな自分。反省、反省、反省。


電車の中で本を読んでいた。扉付近で。アンデシュ・ハンセンの『スマホ脳』を。「不安を抱えている人は常に闘争か逃走の状態」


大きな声で「一人言」を言っている年配の女性が、電車に乗ってきた。「仕返し」「しっぺ返し」のワードが出てくる出てくる。話の内容はさっぱり分からないが、何だかうなずいてあげたくなって、軽くうなずいてしまった。


「このお姉さん、分かってる。」


(わ!!)


目の前に移動してきて、しゃべるしゃべる。


(この電車、時々人が暴れたり刺したりトラブルになるニュースを聞く💦やばい💦絶対に刺激しないようにしよう。穏やかに優しくうなずこう。コメントしたり反論したりするのはやめよう。がんばれ私!!)


心臓がバクバクしながら、穏やかな微笑みを浮かべて優しくうなずく努力をした。話の内容がわからなくても、興味関心がある姿勢を全身で表現した。まわりの通勤途中の方々の静かなエールを感じながら。


目をそらさずに聞いた。目が、キラキラしていた。綺麗な目をしていた。


マスクを外した。

茶色くてガタガタの歯。

見たこともないような歯並び。


ギョッとした。

生活の苦しさがヒシヒシと伝わってくる。

いつ爆発してもおかしくないような巨大な不満を抱えて生きている。

耐えろ、私。

急行なので、一駅がものすごく長く感じた。次で降りよう。長時間は無理だ。


電車がスピードを緩め止まりかけた時、その女性が扉へ移動した。移動しながら話し続ける。(降りてくれるかも)停車し扉が開くと、


「ありがとうね。」


と行って、降りて行った。


言葉にできない達成感を味わった。大袈裟じゃなく徳を積めた実感があった。


電車を乗り換え座ると、いつもと違う雰囲気。女性専用車両だ。初めて乗った。女性特有の柔らかい空気。安心感に包まれた。女性に包まれると、優しい気持ちになれるのね、不思議。


それで思い出した。映画『身代わり忠臣蔵』での赤穂の花見のシーン。女性に囲まれた大石内蔵之助が、すごく楽しそうだった。歌い舞う女性に囲まれて幸せそうな永山瑛太を思い出した。


再び、本を読み出した。「闘争か逃走」の状態の人が目の前に現れたのだと思った。引き寄せの法則を思い出した。


また思い出した。昨年のこと。休日の朝、爽やかに目が覚めると、外から突然大きな声がする。


「みなさん、聞いてください。」


ええ!!


「私は変わっていると言われています。」


えええ!!!


突然の大声の演説に、心臓がバクバクした。怖くて外を見れない。内容は、自分がいかに変わっているか、また時々来ます、など、変すぎる。怖すぎて警察に電話した。

私 「変な人がいます!」

相手「病人や怪我人はいませんか?」

私 「いません。変な人が大声で!」

その繰り返しの後

相手「こちらは119番なので110番に電話してもらえませんか?!」

私「すみません間違えました💦すみません💦」


ギャー!!めちゃめちゃ迷惑な電話をしてしまった!!プチパニック状態。


110番に電話すると、「それは変わっている人ですね。」と明るい声で応えられ、なんだかコントのような印象を与えてしまった。しばらくして警察の方が見回りに来てくれて、少し安心した。


ホッとして、枕元にあった読みかけの本の表紙に目がいく。


太宰治『人間失格』


人間失格みたいな人がリアルに現れたんですけど。引き寄せなくていいのに。


「辛いことを話さないと石に刻まれる。安心できる場所で安心できる人に話すと、辛さは軽減し、傷は癒やされる」アンデシュ・ハンセンの本で何度も出てくる。


『最強脳』『ストレス脳』『メンタル脳』を読み、大ヒットした1作目『スマホ脳』を読んでいる。


このブログが、私にとって安心できる場所になっているのかもしれない。相手が見えないから、勝手に安心できる人を想定して書けるのかもしれない。正直、勧誘系の方のイイネにションボリしてしまった。でも、だからこそ、落ち込むことがあるからこそ、素敵な人のイイネの輝きが増すのかもしれない。


話は変わり『身代わり忠臣蔵』について。私にとって大石内蔵之助は杜けあきさん。しびれます。映画の中で浅野内匠頭の辞世の句「風さそう花よりもなお我はまた 春の名残をいかにとやせん」は、一路真輝さんの声となり歌となる。


「殿中でござる。殿中でござるぞ。」のセリフに映画館でエア拍手。あ〜楽しかった。忠臣蔵を見ると、子供の頃に戻れる。宝塚の演目は、自分の人生に刻まれている。


月組『フリューゲル-君がくれた翼-』を昨年10月に観た時のこと。幕が上がり衝撃を受けた。お墓参りのシーン。恐怖で全身が硬直した。白い花束を持ってお墓参りするタカラジェンヌを観て、なんて残酷なことを!こんなことを毎日、毎日、どれほど苦しく辛く悲しいことか。


思い出しただけで、息が詰まる。あの感覚が、2023年10月の私に刻まれた。


「喧嘩なら両成敗、喧嘩なら両成敗」忠臣蔵の歌が、頭の中を駆け巡る。いじめなら、どうなる。