夏目貴志くんは、両親を早くに亡くして、
親戚の間を転々としていました。
妖怪に対する言動が、視えない人には奇異に
映り、どこでも疎ましがられました。
あるときは義理の両親に、あるときは
義理の兄弟に。学校でもいじめの対象
になり、誰も関わりたがりません。
それでも決して反論せず、
「自分が悪いのだ」と思い込み、
「自分がいると迷惑かける」と自分を責め、
想いの全てを胸の内に飲み込み、
いつも一人ポツンと過ごしていました。
そんなある日、誰も引き取りたがらない
彼のことを初めて「引き取りたい」と
言ってくれる人が現れます。
子供のいない優しいご夫妻で、彼もまた
「そのご夫妻と暮らしたい!」と願い、
静かで温かな暮らしを手に入れました。
ぎこちないながらも少しずつ打ち解け、
少しずつ心を開いていく貴志くん。
やっと訪れた心落ち着く穏やかな日々・・・。
彼を通し宇宙が見せたかった
もう一つのことに氣がつきました。
「ゆっくりでいいんだよ」と言うことです。
私も穏やかならざる日々でした。
やっと訪れた穏やかな日々。
どこか他人行儀で甘えることを知らなかった
私が、やっと甘えることを覚え始めた
日々。
夏目くんを通して、自分がいかに甘えられて
いなかったか知りました。
甘えると言うのがどう言うことなのかも。
もっともっと甘えていいんだと思いました。
もっともっと迷惑かけていいんだと
思いました。
父は家族の人生をも左右するような
迷惑を何度もかけて来ました。
でも何度迷惑をかけてもいけしゃあしぁあ
と生きています・笑
それに比べたら私が迷惑かけるかも・・・
と思っていたことなんて迷惑のうちに
入らないようなことばかり。
私は父の迷惑のかけっぷりに
うんざりするばかりでしたが、
父の魂は「こんな風に迷惑をかけていいんだ」
と私に教えるために、見本として大げさに
やって見せてくれていたのかもしれません。
守りたいものができた彼は
もっと強くなりたいと焦ります。
私も、自立しなければと焦っていました。
やっと甘えるところを知りかけた
ところだったのに、「いつまでも甘えて
はならない」とまた自分のお尻に
鞭打ってしまっていました。
彼はゆっくりゆっくり進んでいます。
私もゆっくりゆっくりでいいんだと
知りました。
ゆっくりでいいと言うメッセージは
文字で何度かもらっていました。
でもなかなかピンとこなかったから、
次なる手として映像で訴えて来ました・笑
おかげで私はようやく「こういうことか」と
理解できました。
宇宙はすごいね。優しいね。
そう、私は焦りすぎていました。
早く結果を出したい と。
でも私の本質はのんびり屋さん。
ゆっくりが好きなのだからゆっくり
いきましょう。
結果は急には出ないものなのだし。
ほんのわずかな時間で結果が出る人も
います。
そう言う噂を耳にしては、私もそうなりたい!
と思いました。
でもそれは純粋な好奇心からではなく、
後ろめたさからだったでしょう。
もしも純粋な好奇心からだったなら
上手くいっていたかもしれません。
でも罪悪感からの行動は、なかなか
上手くいかないものです。
「それは間違った選択だ」と氣づかせる
ために。
彼がゆっくりゆっくり変わっていっている
ように、私もゆっくりゆっくり変わってゆこう♡
急いては事を仕損じるし、心も見失ってしまう。
焦らなくても大丈夫なのですね。
焦っても仕方のないことなのですね。
時が来るタイミングは、いつだってきっと
決まっているのです。。。
エゴの勝手でそれを早めるなんてことは
できないのです。
時満ちる時を静かに待とう♡
無理も悪あがきも必要なし。
いきなりすごい人になれる人なんて
いないし、等身大の自分を認めずして
さらに大きくなんてなれないんだから。
まずは自分を迎え入れるところから。
自分を丸ごと受け入れるところから。
よく頑張ったねと労わるところから。
名取さんが言ったように、まずは自分を知ることから。
何事も 少しずつ紡がれて行くもの・・・