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演劇(宝塚歌劇)にはそれほど興味のない人からすれば、同じ公演を複数回以上観に行くということは全く信じられない事象のようです。」」
しかし舞台は何と云っても生もの、生の舞台を観て感じて『なんぼのもん』というのは疑いようが無いと思います。
今日は久しぶり〜(と言っても2週間ぶり)に雪組公演「幕末ロマン・壬生義士伝+ダイナミックショー・Music Revolution!」を観てきました。 2回目の観劇で今回がMY楽になります。
(バウホールの広告は既に宙組「リッツホテル・・・」、チラシもリリースされていました)
《観劇データ》
・ 2019年6月29日(土) 11:00公演 @宝塚大劇場
・ 第一幕(壬生義士伝) : 11:00-12:35
第二幕(Music Revolution !) : 13:05-14:00
・ 座席 : S席・1階 17列 下手エリア
《観劇記・壬生義士伝》
・ 舞台は生ものを完璧に証明してくれたような感じでした。
誠に申し訳ないけど1回目を観た時には、『2度目は無い、いやでもやんごとなき事情で2回目を見ないとならない』状態でしてさてさていつもなら大劇場へ行くと考えただけでソワソワ、ドキドキ、ワクワクしてくる感覚が全くなく、『まぁ、しゃーないなぁ』みたいな・・・=爆=
こんな気分になったのは珍しい、確かに月組公演の武蔵&タイ風のショーとほぼ同じ感覚だったけど、月組は1回分しかチケット確保していなくて『ホッとした』という感じでした=大爆=
・ 物語(お芝居)の根本が大嫌いな「新撰組」ですからねぇ、これってよほどの絶対的ご贔屓がやらない限り観たくない題材です。
そもそも何故に「新撰組」がこれほどもてはやされるのかが全く分からない、テロ集団を賛美する、これとどう違うみたいな。
ただ宝塚歌劇にとっては絶好かつキャスティングのし易い題材であるのは間違い無く、男らしい人物像(これも私は否定的です)、美男子も出てくる、そして悲劇のラストを迎える・・・、いやぁお涙頂戴的な流れからすればバッチリ、ビンゴ的な内容を醸し出される。
・ 今回の「新撰組・ア・ラ・タカラヅカ」はちょっと目線を変えた(と思える)浅田次郎作の名作(らしい)題材で更には一般的な新撰組物語では主人公としては出てこない吉村貫一郎という地味な存在ということでちょっと趣きが変わったものになっているであろう、と言う印象を持って1回目観劇しました、が、これが見事に期待に反して、やっぱり新撰組物語かいな、みたいなガッカリ感が大きくて。
更には原作を読んでいないこともあって、物語の進行があまりに『雑』で眠気を誘う暗転の多さに「ああ〜っ」という印象が強かったです。
・ さてまあ、そんな気分で2回目の観劇はショーを楽しみにしようとモチベーションを上げて大劇場へ向かいました。
ところが2回目ということもあって物語の流れが非常に良く分かり、だいもん演じる主人公の境遇が激しく同意できるよなぁ、そして大野次郎右衛門の心境・・・、うーーんこれは考えさせられるよなぁみたいな新撰組物語ではなく幕末を生きた人間ドラマとして捉えると味がじわりと感じられる物語だと思ってグイグイと舞台に引きこまれていきました。
ただ物語全体としては抑揚が少なく、舞台は暗くて、しかも花組「邪馬台国の風」と匹敵する暗転の多さには同意出来ない部分が残ります。頻繁に回想場面が出てくるのも暗転を多用する、そういう構成になっているのかも知れません。
そんな物語ですが、いろいろと見せ場は造ってあるし殺陣も盛り込んでいて『活劇』としての一面もあって男性ファンが好むようなところも。
そして何と云ってもだいもん(望海風斗)と真彩希帆の実力コンビの力技によるところが多いと感じます。
大野次郎右衛門演ずる、彩風クンもラストの場面では非情かつ愛情がこもった演技は泣かせる。
「壬生義士伝」も救いようのない物語、いや、待てよ、だいもんってトップになってから救いようのない物語ばっかり(本公演)だなぁ。 悲劇が似合うトップスターってのも悪くはないけど、アク(毒)の少ない役も観てみたいよなぁ。
・ 男臭い物語だから娘役登場場面が少なすぎる、よって鹿鳴館の場面をってことになるんだろうけど。
娘役軽視ならもっと徹底してもいいでしょうね。(そう景子センセー方程式でもいいよ)
→ その分、ショーは娘役がいっぱい出てくるのでリベンジは出来ていると思いますよ。
そして専科からの特出のかちゃ(凪名瑠海)の起用法も??。 もうちょっとマシな役ってなかったか?
→ その分、ショーではなかなかの存在感があって、リベンジ出来ていそうです。
《観劇記・Music Revolution!》
・ 中村一徳センセー作の良くも悪くも(悪くは無いけど)、正統派のこれぞ、タカラヅカのショーという雰囲気、匂いがあって好感を持てるショー内容だと思います。
決して古くさいものではなく、逆に斬新さを狙ったものでもなく安心・安定のショーって云う感じですね。
・ 最初から最後までホントにパワフルでこのショーを1回演じたらそれこそ体重がかなり減少するのでは?と思えるくらいの運動量、観ている方も熱気と運動量、そして演者の息づかいがハッキリと分かりそうな内容です。
ご苦労さんです、このショーを1日2回演じるってすごい体力、まあ日頃からのお稽古、鍛え方などがちゃんと正直に現れてくるんでしょう。
・ 私的感動場面は①彩風くん中心のJAZZセクション、②踊る踊る、いやぁご苦労様な「Dance Revolution」、③サヨナラモードのような雰囲気、白い衣装に身を包んで「Music is my life」、そして④ 潤花ちゃんメインのロケット、他にもいかにも雪組らしいダンディズム満点の場面等々・・・このショーは最初から最後まで構成の良さ、観客がこういうのを観たいっていう欲望をしっかりと応えてくれる、そんな感じでしょうね。
お芝居が今ひとつなぁ・・・なんていう2週間前の《ひかり》のような方がいらっしゃってもショーはお芝居のもやもやを完全にリセットしてくれる「Music Revolution !」は、それこそ音楽でお芝居の印象に革命を起こしてやる
、みたいな意気込みを感じられる内容になっていると思います。




