「ロミオ&ジュリエット」、私的にいろいろと思い出の多い作品です。
高校時代に映画研究会に入って初めて無料券で見に行ったのが元・布施明夫人のオリビア・ハッセー主演の映画でした。
まあ何とも切ないすれ違い・・・、こういう形の《愛》ってあまりにも儚くて切ない・・と感動に浸りきりました。
この作品と現代風にアレンジした「ウエストサイド物語」の2本立て、中世を舞台にした原作と現代風の「ウエストサイド」、今から思うともの凄い贅沢な組み合わせだったと思いますね。
そもそも現代では映画の2本立てなんてあり得ないですが、当時は映画が民衆の娯楽のトップランナーでしたから2本立てで上映している映画館もいっぱいありました。
そして刻を経て宝塚歌劇で「ロミオ&ジュリエット」に出逢ったのは2013年、私の初タカラヅカは雪組「ベルばら」でしたが、次にやはり家内からお誘いを受けて見に行ったのが星組バージョンでした。 ここで初めて柚希礼音さんを目の当たりに見て、また乳母役の美城れんさんの独唱あの子はあなたを愛してる
で得体の知れない感動を覚えて恥ずかしながら涙を流してしまったこと・・・、とにかく「ロミジュリ」はいろんな意味での私の思い出のベンチマークとなっているわけでして。
今日は楽しみにしていた東宝版「ミュージカル・ロミオ&ジュリエット」を観てきました。
久しぶり〜の生ロミジュリで、更には新感覚の演出、さてさてどんな感じなんだろうなぁと期待も膨らみ、イケコセンセ−の手腕を久しぶりに拝ませていただけるかなぁということも楽しみの一つでした。
《観劇データ》
・ 2017年3月5日(日) 13:30公演 (大千秋楽) @梅田芸術劇場メインホール
・ 第一幕 : 13:30-14:50、 第二幕 : 15:15-16:30
・ 座席 : B席 3階 5列 下手エリア
・ 購入先 : 梅芸ネット会員 先行抽選当選
《役替わり》
・ ロミオ : 古川 雄大
・ ジュリエット : 生田 絵梨花 (乃木坂48)
・ ティポルト : 渡辺 大輔
・ ベンヴォーリオ : 馬場 徹
・ マキューシオ : 平間 壮一
・ 死 : 大貫 勇輔
↑左: さすがの乃木坂48メンバーの出演、ファン一同からの花束が・・・
↑右: お祝いの花のバックにはこの方の写真が。 そう言えば次に梅芸にやって来るのはこの方の公演ですね(2週間後か)
驚いたのは宝塚歌劇の客層とは全く違った雰囲気。
もちろん女性圧倒的優位の観客ですが男性の姿がいっぱいでそっかぁ、乃木坂48の応援ファンなんかなぁという感じですね。
《観劇記》
・ 新感覚の演出って??、舞台がヅカ版とは全く違った現代風のセットで時代が中世のヴェローナから一気に現代へ。 連絡ツールは携帯(スマホ)にLineの全員配信に、そしてロレンス神父さんの薬草の調合はパソコンで・・・なんて全くの新感覚です。
更にはヅカ版では『死』と『愛』のカップリングでしたが、東宝版では『死』のみ。 しかも出番がもの凄く多くて見事な存在感が強調されていました。
=どちらが良いかとかは問うのは愚問、比較論的に観るのは是非とも避けないといけませんね=
・ もともと「ロミジュリ」って星組バージョンでも月組バージョンでも流れる楽曲の素晴らしさは特筆すべきもので、しかももう耳に慣れまくった楽曲ばかりですので安心して聞けるし、ああ、なんだか懐かしいなぁ・・そんな感じでした。
しかし出演者の歌唱はとにかく驚く程の声量に迫力はもう何も言うこと無しです。
そしてジュリエット役の生田絵梨花さん、いやぁ上手やなぁ、恐れ入りました。
乃木坂を卒業してもミュージカル俳優で十分活躍出来ると思いますね。
しかもジュリエットとそれほどの年齢設定も違わないので同期化出来ているのが好感を持てました。
・ 出演者はダンサー含めて40人程度ですが動きが東宝版ではアクロバティックなところが多くて人数の少なさ(?)は全くと言っていいほど感じませんでした。
男役は男優・・という本来の姿はヅカ版になれてしまった身にはかなり新鮮でした。
=ここも比較論は展開しません、いやしたらダメでしょ=
・ 「死」の大貫勇輔さんのダンスのキレキレ度は中途半端じゃないし、ティポルトも強くて気性の荒い男くささを漂わせていて良かったですね。
更には《大人チーム》のロレンス神父役の坂元健児さん、素晴らしいコミカルな雰囲気を出していて観客の爆笑を取っていましたし、キャピュレット夫人役の香寿たつきさん、乳母役のシルビア・クラブさん、ヴェローナ大公役の岸祐二さん・・・皆さんの歌唱に演技力はこの作品を更に奥深くて味わいのあるものにしていました。
上質の舞台ってこういうことを云うのでしょう、今年はヅカ観劇も昨年ほどの頻度では無くなりますので、東宝版のミュージカルをちょっと多い目に観てみたい気になってしまいました。
今日で大千秋楽、1月から始まった公演ですが、またいつの日かこのメンバーでの再演を大いに期待したいですね。